入社半年、新人は今どんな気持ちなの?――新入社員のフォローを頼まれたら:研修に行ってこい!(2/2 ページ)
新入社員の入社から半年が過ぎた今、フォローアップ研修を開催する企業が増えてきます。社内講師を頼まれる人も多いのでは? 今回は、フォローアップ研修で講師を頼まれたとき、知っておくべきことをお伝えしましょう。
新入社員の傾向から
新入社員の時期というのは、すべてが新しいことの連続です。ルーティンの仕事があったとしても、イレギュラーなケースが発生すれば、新しいこととして吸収していかなければなりません。頭も気持ちもいっぱいいっぱいというのが本音です。一生懸命取り組んでいる新入社員の様子を見ていると、次のような傾向があります。
- 先のことが見えなくなる
- 「自分が足を引っ張っているのではないか」と悩む
- 「小さなことで、上司や先輩に負担をかけたくない」と話しかけられなくなる
- 「もっと貢献したい」「認めてほしい」という気持ちが強くなり、仕事を抱え込む
- 失敗やしかられることに耐性が少ないため、失敗したり、しかられると必要以上に落ち込む。人によっては長期化する
- 失敗やしかられた内容が、上司や先輩から見て、「たいしたことはない」というレベルのものであっても、想像以上に落ち込んでいる
思い当たることありませんか?
タイミングをとらえておこう
それでは、先ほどのバイオリズムを参考に考えてみましょう。企業の方にお話をうかがうと、9月ごろから仕事を任せ、一人立ちさせていくケースが多いようです。
このような一人立ち直後のタイミングというのは、
- 「任された!」と感じてうれしい気持ち
- 「本当に大丈夫だろうか?」という、不安感
が混在しています。
そして、日々の業務の中で感じるのは、先輩が一緒の時には感じなかった、
- 自分の知識や経験のなさ
- 分かっているようで、分かっていないことの多さ
などが身にしみてくるようです。
頑張りたい気持ち、貢献したい気持ちと、不安な気持ち、そこからくる焦りが行ったりきたりします。そうしているうちに、徐々に不安の方が強くなっていきます。その不安を上手く表現する方法を知らないため、その表現は多くの場合、存在感がなくなる、あるいは会社の愚痴や文句を言っている先輩の言葉へ同調として表れます。
秋から冬にかけては、このような気持ちの方が多いようです。
どのような話をすればよいのか?
「一生懸命頑張ろう!」「この会社に入れてうれしい」「仲間ができてうれしい」という気持ちで入社した後、出会いや経験を通じて、新鮮な気持ちのままイキイキと取り組んでいる人、少し元気を失っている人など、さまざまなな状況の人がいます。あなたが話をする際には、どのようなタイプが多そうか、イメージしてみてください。その上で、次のような観点で話を組み立てることをおすすめします。
仕事紹介
フォローアップ研修は、会社全体のことを見渡してもらう機会でもあります。あなたが担当する仕事の役割や、新入社員とのかかわりなどを紹介してください。その際には、その仕事が印象的に伝えられるように、お客様や関係者とのエピソードなどを話すと、仕事のイメージが伝わりやすくなります。
失敗経験談
新入社員の多くは、「失敗してはいけない」という思い込みが強いものです。新入社員時代や今の仕事の中での失敗経験を、どのようにとらえ、次に生かしていったのかなど、失敗の乗り越え方などを話してください。失敗することから学べることが多いことが伝われば、意欲も高まり、積極的に行動し始めます。
仲間として一緒に頑張ろうというメッセージ
組織で仕事をすることの目的は、1人では到底できない志や目標を、多人数でお互いの個性を生かし合い、補い合いながら成し遂げることです。個別の人間関係で悩む人も、組織全体としてみたときにフォローする姿勢が伝われば、元気になるかもしれません。
いかがでしょうか? 「えー、大変そう」……なんて言わないでくださいね(笑)。頼んだ人も「あなたの話が聞きたい!」と思っています。是非、あなたのためにもこの機会を生かしてください。具体的な準備を知りたい人は、次の記事も参照くださいね。
著者紹介:原田由美子(はらだ・ゆみこ)
大手生命保険会社、人材育成コンサルティング会社の仕事を通じ、組織におけるリーダー育成力(中堅層 30代〜40代)が低下しているという問題意識から、2006年Six Stars Consultingを設立、代表取締役に就任。現在と将来のリーダーを育成するための、企業内研修の体系構築、プログラム開発から運営までを提供する。
社名であるSix Starsは、仕事をする上での信条として、サービスの最高品質5つ星を越える=お客様の期待を越える仕事をし続けようとの想いから名付けた。リーダーを育成することで、組織力が強化され、好循環が生まれるような仕組みを含めた提案が評価されている。
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