会議術はマグロ船に学べ――齊藤正明さん
自身のマグロ船での経験を基にした書籍『活きのいい案がとれる! とれる! マグロ船式会議ドリル』の出版記念パーティーで、著者の齊藤さんは「チームの成果を求めるなら、マグロ船に学べ」とコメントした。
「マグロ船はケンカっ早い人がたくさん乗ってると思っている人が多いと思いますが、ケンカを避けて力を合わせないとお金儲けできないんです」――というのは齊藤正明さん。自身のマグロ船での経験を基にした「@nifty ビジネス」での連載「今日からなれるファシリテーター 〜荒波を乗り越えるマグロ船会議術〜」が話題になり、書籍『活きのいい案がとれる! とれる! マグロ船式会議ドリル』にもなった。
冒頭のコメントは、7月13日に開催した出版記念パーティーでのトークショーでのもの。会場には“フィッシュロックバンド”の漁港も駆けつけ、ミニライブやマグロの解体ショーも行われた。
齊藤さんや漁港メンバーをまじえたパネルディスカッションでは、上司の思いつきでマグロ漁船に乗ったことを“暴露”。「もともとマグロの保冷剤を作っていたメーカーに勤めていた。新製品を開発するのに、魚のことを1から知るべきだという話になり、上司に『お前、ちょっとマグロ船に乗ってこい』と言われた」という。
40数日間の漁師体験だったが、貴重な体験だった。「マグロ船1隻につき8人の船員が乗ること」や「40日余りで30万円の給料であること」などを学んだという。何より驚いたのは「マグロ船の船員は確かに暴れん坊のような人もいますが、なるべくケンカしないようにしていた」こと。「ケンカをしたら(船員の)8人が6人になっちゃう。ケンカは相手がいないとできないから、1人分じゃなくて2人分のロスなんですよね」。つまり、ケンカをすると25%の戦力ダウン。当然漁獲量にも影響するし、儲けも少なくなるわけだ。
「成果報酬制度になってから社員の競争相手が変わった」と齊藤さん。「これまでの競争相手は社外の競合だったが、成果報酬制度では自分より多く(給料を)もらっている人が競争相手」。どうしても社内の雰囲気も悪くなるし、何かの目的に向けてチーム一丸となって取り組む姿勢がなくなる傾向にあるのである。
そこで先ほどのマグロ船だ。齊藤さんは個人主義に陥りがちな成果報酬ではなく、チーム全体の“漁獲量”を増やして儲けを最大化する手法を考えた。「マグロ船で学んだことを思いつく限りネタにした」というコンテンツが、前出の「今日からなれるファシリテーター 〜荒波を乗り越えるマグロ船会議術〜」であり、『マグロ船式会議ドリル』であったという。
もしあなたがチームの成果を求めているなら、実はマグロ船にヒントがあるかもしれない。興味のある人は読んでみるのもいいだろう。
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