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ドリルダウンでヌケ、モレをチェックするプレゼンがうまい人の「図解思考」の技術

基本形ができたら、各メイントピックにサブトピックを追加。メイントピックからサブトピック、1つの概要情報からいくつかの詳細情報に展開することを「ドリルダウン」と呼びます。

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 現実と理想の基本形ができたら、各メイントピックにサブトピックを追加していきましょう。メイントピックの四角の外側にさらに四角をいくつか描き、それを線で結びます。このようにメイントピックからサブトピック、1つの概要情報からいくつかの詳細情報に展開することを「ドリルダウン」と呼びます。

 「ドリルダウン」の語源は“穴をあけて下がっていく”ですが、ビジネスにおいては「特定の対象に絞り込んで概要情報から詳細情報へと展開する」という意味で使われる言葉です。

サブトピックには、具体的事実、原因、データ

 例えば、メイントピックが「商品原価が利益を圧迫」という課題であれば、詳細情報のトピックとして「見込み販売量とのギャップが大きい」「発注ロットが大きすぎる」「材料単価の値上がり」など具体的な事実、想定される原因、統計データなどを線で結びます。このように、1つの概要から詳細情報に展開するのがドリルダウンです。

ドリルダウン後に矛盾がないかチェック

 ドリルダウンしたら、概要と詳細情報の関係を見て、矛盾が生じていないか、モレがないかをチェックしてください。詳細情報は概要情報の具体的事実や理由になっているのかどうか、概要を示す言葉は詳細情報全体を言い表すのにふさわしい言葉かどうかを確認してください。

全体を眺めて、矛盾や不足情報を補う

 「現実」「理想」「提案」のそれぞれにおいてドリルダウンが済んだら、一度、全体を俯瞰してみましょう。そして、課題の原因や事象にモレがないか、解決すべき課題と提案の間にブレがないか、提案内容は実現性の高い具体的なものか、提案による効果が未来における解決に本当に結びついているか、などをチェックします。

 ブレがある場合は、根本的に見直しが必要ですし、さらに詳細な情報が必要な場合は、さらにドリルダウンして補足情報をつけ加えてみてください。この全体像があなたの提案内容のすべてですから入念にチェックしましょう。


筆者 誌面の都合上、現実、理想、提案の各々の具体的なドリルダウンの方法については割愛させてもらいました。詳細は、ぜひ本書でお確かめくださいませ。次回は「シナリオの流れをつくりだす合体ロボ作戦」です。

集中連載『プレゼンがうまい人の「図解思考」の技術』について

『プレゼンがうまい人の「図解思考」の技術』
『プレゼンがうまい人の「図解思考」の技術』(永田豊志・著、中経出版・刊、A5判/208頁、本体1500円)

 パワポの前に「図」で考える――。ベストセラー『頭がよくなる「図解思考」の技術』の第2弾となる本書は、プレゼンテーションの根幹とも言える「メッセージをどう作り、どのように伝えるのか」を図で整理する方法を解説しています。

 「見栄えのいいスライドを作ること」や「説得力のある話し方をすること」も当然大事ですが、プレゼンの目的(メッセージ)そのものが洗練されていなくては、聞き手の心には届かないからです。営業プレゼンテーションや講演に限らず、ちょっとした説明や商談、または報告などにも応用可能で、あらゆるビジネスシーンで活躍するはずです。


目次

  • 第1章:残念なプレゼンは、なぜ眠たくなるのか?…面白いプレゼンの秘密とは?
  • 第2章:考えがスッキリまとまる図解プロットの技術…自分の考えを整理する方法
  • 第3章:「合体ロボ作戦」でシナリオに磨きをかける…プレゼンの流れを作り出す
  • 第4章:魅力的なスライドラフを描いてみる…ハイクオリティなラフ描きの技術を公開
  • 第5章:図解プロットに挑戦!…実際に、考えをまとめ、シナリオを作り、ラフを描く
  • 第6章:魅力的なアイデアを作り出す10のテクニック…使えるアイデア発想法

著者紹介 永田豊志(ながた・とよし)

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 知的生産研究家、新規事業プロデューサー。ショーケース・ティービー取締役COO。

 リクルートで新規事業開発を担当し、グループ会社のメディアファクトリーでは漫画やアニメ関連のコンテンツビジネスを立ち上げる。その後、デジタル業界に興味を持ち、デスクトップパブリッシングやコンピュータグラフィックスの専門誌創刊や、CGキャラクターの版権管理ビジネスなどを構築。2005年より企業のeマーケティング改善事業に特化した新会社、ショーケース・ティービーを共同設立。現在は、取締役最高執行責任者として新しいWebサービスの開発や経営に携わっている。

 近著に『知的生産力が劇的に高まる最強フレームワーク100』『革新的なアイデアがザクザク生まれる発想フレームワーク55』(いずれもソフトバンククリエイティブ刊)、『頭がよくなる「図解思考」の技術』(中経出版刊)がある。

連絡先: nagata@showcase-tv.com

Webサイト: www.showcase-tv.com

Twitterアカウント:@nagatameister


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