ライバルの良いところをとことん吸収する:世界で通用する人がいつもやっていること(2/2 ページ)
あなたには最高のライバルと呼べる人はいますか? ライバルとは足を引っ張り合うのではなく、互いの長所の盗み合いをして高め合える貴重な存在です。そして、その存在に感謝する姿勢が大切なのです。
脳は休ませすぎると悪くなる
Fさんは優秀な人なのですぐにそういう目標が達成できてしまうのがまたすごいのですが、それゆえに、ライバルも彼女のことを意識することが多くありました。なので、Fさんもなかなか刺激的な日々を送っていたみたいです。
彼女はもともと、何か目標を見つけて戦うということが好きな性格なのだろうと思います。その生まれつきの性格をうまく使って、自分を高めることに役立てていたのでしょう。
現パナソニックの創立者の松下幸之助は「ライバルが強くなければ自分も強くならない」と言ったそうです。確かに人間というのは、共に強くなる相手がいないとどうしても慢心してしまい「この辺で十分だろう」とだらけてしまうものです。
脳というのは大量にエネルギーを消費することもあり、ずっと戦い続けている状態に耐えられるようには作られていないので、すぐに休もうとする性質を持っています。でも、あまり休みすぎると今度は戦えない脳になってしまいます。うつを引き起こすもとにもなりかねません。休むことも大切ですが、上手に脳を戦わせてやる工夫も必要なのです。
ライバルの話をすると「他人と比較するな」というアドバイスが出ることがあります。でもこれは「他人と比較したときにネガティブな気持ちになるな。落ち込んで他人の足を引っ張ろうとするくらいなら比較するな」という意味なのではないでしょうか。他人との比較も、本当は大事なことだと私は思います。
他人と比較する場合は「何を比較し、それをどのように捉えて、今後どうするか」ということが重要となります。また、自分で立てる目標が客観的に見て低い目標であるなら要注意です。「低い目標」を達成したときの満足感は、目標と同じように「低い」ものなのです。結局は、低い自己評価につながってしまいかねません。
良い成果を出すことがライバルへの最高のリベンジ
今の自分にとって最高のライバルを見つけてください。そして、そのライバルと戦える自分に誇りを持ちましょう。
また逆に、誰かにライバル視されることがあったとしたらそれはとても光栄なことです。そのライバルが足を引っ張ってきたり、攻撃したりしてくるような面倒な相手であったとしたら、戦うのはしんどいことですが、ひるまずに思う存分こちらも戦えばいいのです。そうして戦っているうちに、自分でも気づかないうちにどんどん力がついていくのです。
とはいえ、相手をおとしめたり攻撃したりするのに精力を注ぐのでは、泥仕合になるだけで自分に何も残りません。
Fさんはいつも「最高のリベンジは、最高の仕事をすること」と言っていました。これもまた素敵な言葉です。彼女は思う存分戦いながらも、その一方でライバルが存在することの価値を知っていて、敵に感謝できる人でもあったのです。
内村鑑三の著書『代表的日本人』の中で、日蓮は「方人(かたうど=味方のこと)よりも強敵が人をば善く成しけるなり」と言って、味方よりも敵の存在に感謝する姿勢の大切さを述べています。
私たちも日蓮と同じ日本人として、積極的にライバルを見つけて自分を磨いていきたいものです。
(次回は、「楽観主義者である」について)
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