同じセキュリティ設定を複数のPDFファイルに繰り返し適用する方法:ビジネスの悩みを解決するPDFドリル
PDFに対する印刷や編集、テキストコピーの禁止といった制限を「セキュリティポリシー」で設定しておけば、次回からは別のPDFに対して1クリックで同じ制限が掛けられる。設定ミスの防止や、作業の効率化にも大いに役立つ。
PDFを社外に公開する際、印刷禁止やテキストコピー禁止、編集禁止といった制限をかける機会は多い。Webサイトに掲載する場合は編集禁止、セミナーで配布する場合は印刷禁止など、公開範囲に応じて社内で細かくルールを定めている場合も多いだろう。
もっとも、こうしたセキュリティを設定するのをうっかり忘れてしまったり、あるいは一部の設定を忘れてしまうといったミスは容易に起こりうる。1人のスタッフが窓口になっている場合ならまだしも、複数のスタッフが交代で担当しているような場合は、伝達がうまくいかず、セキュリティ設定が不完全なまま公開してしまった、ということも起こりかねない。
こうした場合は、Acrobatであらかじめ用途別に「セキュリティポリシー」を作成しておき、これを適用するようにするとよい。セキュリティポリシーとは、要するにセキュリティ設定を組み合わせたプリセットに相当するもので、「ウェブ掲載用」「セミナー配布用」など、さまざまなケースごとに設定しておける。こうしたセキュリティポリシーをあらかじめ用意し、PDFにセキュリティ設定を行う場合はそれらを適用するだけにしてしまえば、設定のたびにどのセキュリティ項目をオンにすべきか迷うことなく、適切な制限がかけられるようになるというわけだ。
詳しい手順は以下を参照いただくとして、いったん作成したセキュリティポリシーはツールパネルウィンドウの「保護」→「暗号化」に表示されるようになるので、該当のPDFファイルを開いた状態でクリックするだけで制限がかけられるようになる。
常に同じセキュリティ設定が適用されるので、設定ミスを防止できるのはもちろん、作業の効率化にも大いに役立つ。対外的にPDFを公開する際の窓口となっている担当者や、複数のPDFファイルに繰り返し同じセキュリティ設定を適用することが仕事柄多いという人は、ぜひ知っておきたい技だ。
連載「ビジネスの悩みを解決するPDFドリル」とは
ビジネスの各シーンで利用するPDFファイル。このドリルを練習して、PDFを上手に活用できれば業務効率が向上し、コストの削減ができるはず! さらに、ビジネスのいろいろな問題も解決できるかもしれませんよ。
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