「横暴×マメ」こそ最強のリーダー:サイボウズ式(2/2 ページ)
人を人とも思わないような横暴なリーダーであっても、部下に「この人のためなら頑張れる」と思わせたらしめたもの。そんなリーダーになるために守るべき“5つの習慣”を伝授しよう。
他人を気持ちよく動かすリーダーの5つの習慣
メンバーの話を最後まで聞く
人の気持ちをつかむリーダーは、自分の持ちタスクで逼迫(ひっぱく)している状況の中でさえ、メンバーに話し掛けられれば、PCから目を離して目を見て話を聞ける。どうしてもできないときは「すまん、10分待ってくれ」と返事する。決して邪険に「ちょっと待って!」とは言わないものだ。
メンバーが自分に聞きに来るということは困っていると同義だ。確かに自分も切羽詰まってるだろう。しかしメンバーから話しかけられたということは信頼構築には絶好の機会ということを肝に命じて、大事にしたい。
知ったかぶりをしない
愛されるリーダーは、自分が知らないことをきちんと教えてもらう姿勢を持っている。知らないことを恥ずかしがるリーダーが多いが、細かい情報や実際の状況を現場のメンバーほど知らないのは当たり前。
情報がきっちりそろっているから判断ができる。一般論や正論に逃げれば、メンバーに「(苦労も含めた実態を)分かってないくせに」と思われてしまう。無駄な体面を取り繕わないからこそ得られる信頼関係があるはずだ。
きちんとにホメて、コンパクトに指摘する
依頼した成果物が上がってきたときにはまずは労をねぎらう。その気持は、「〜がやった成果物」ではなく、「〜がやってくれた成果物」というような言葉遣いに端的に表れるものだ。褒めるときは少々オーバーにでも褒める。しかし、指摘するときはコンパクトに。
絶対にやってはいけないのは、人間性や能力の否定を感じさせる指摘だ。それはメンバーを腐らせるだけだ。
メンバーに敬意を払う
リーダーは基本的な決定権を持っているため、勘違いする人が多い。そんな中、ただの役割分担として実作業を“お願い”していて、自分は判断の担当をしているという気持ちを持っている人は輝く。「これお願いしてもいい?」という言い方を徹底する。そのための説明する時間を取ることは当然いとわない。
顕著に出るのは逼迫(ひっぱく)した状況だったり、メンバーが気乗りしていなかったりするときだろうか。そこで高圧的な態度に出るのではなく、粘り強く、ときには下手に出る姿勢を徹底できるかということだ。
メンバーを守る
自分がいい顔をするためにメンバーを売らないということも人の気持ちをつかんで愛されるリーダーの持つ習慣の1つだ。責任者としての責任を果たせることと言い換えられるかもしれない。
メンバーを守ることのもう1つの面は「余計な仕事を作ってこない」こと。ときには客先や上司にムチャぶりをされる中で、そこを上手く逃げてタスクを増やさない舵取りができること。リーダーは仕事の窓口になっていることが多いだけに、その人の振る舞いがチーム全体の仕事量を左右するケースが多い。下手な舵取りでチームがキャパオーバーになって沈まないようにしたいものだ。
気持ちよく働けるようにすることが仕事の進捗(しんちょく)に不可欠
これらは当たり前のことばっかりだ。だけど、自分がリーダーとして動いたことがある人には、これらの当たり前を徹底することがいかに難しいかを分かっていただけると思う。切羽詰まった、余裕がない状況の中で「横柄な態度」「メンバーを雑に使うこと」に逃げればラクなことが多いから。
しかし、メンバーの感情を考慮しないことは、メンバーのやる気を下げることにつながり、効率を低下させる。すなわち、冒頭に挙げたクロック数の低下だ。
「言い方を気にせずに強引に進めること」はショートカットのようでいて、決して目標達成の近道ではない。
メンバー全員の意向・事情をくむことは現実問題として難しい局面が出てくる。ときには諦めてもらうことが必要になってくる。
だからこそ、自分の中でやってはいけないラインを定めておくのは重要なことだ。
自分を尊重してくれるリーダー。リソースの1人としかみなしていないリーダー。どちらのために働きたいだろうか? 私は前者のような人のために働きたいから、前者のような人であろうと動いている。
これはロジックではなく、感情や印象レベルの話になる。だけど、圧倒的大多数はロジカルであることよりも、気持ち良く働けることを望んでいるものなのだ。
どんなに余裕がない状況でも、動いてもらうことが難しい状況でも、立場や役割をさっぴいて相手を尊重する姿勢。業務の進捗(しんちょく)と同じレベルとしてこのタスクを捉えられるかがすべてなんだと私は思っている。(ファーレンハイト)
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