『リーダーシップの旅』――あなたは孤独な旅人になれるか:藤沢烈の3秒で読めるブックレビュー
リーダーシップ研究の第一人者たちによる共著『リーダーシップの旅』。リーダーシップの本質が「旅」だとすれば、リーダーとは内なる声に導かれて進む孤独な旅人――なのである。
次世代リーダー輩出を目指すNPO法人ISL理事長である野田智義氏と、キャリア/リーダーシップ研究の第一人者である金井壽宏氏の共著『リーダーシップの旅』。リーダーシップの本質が「旅」であると捉え、その理論と実践をたっぷり載せた1冊だ。
リーダーとは誰か
上図を見てどちらがリーダーのイメージに近いか考えてほしい。部下たちを従えているのがタイプA。どこかに向けて1人進んでいるのがタイプBである。
タイプAでは組織内が機能するように働きかけを行っている。これはリーダーというよりマネジャーとしての役割である。タイプBは一匹狼に見えるからリーダーらしくないのだろうか。野田・金井は、どんなリーダーも最初は1人から始まるという。自分が突き動かされ、共感する仲間が次第に増え、やがて社会を変革していく。リーダーだからこそ人を引っ張れるのではない。内なる声に導かれ、いつしかフォロワーが増え、社会に影響を与えた人のことを人はリーダーと呼ぶのである。
だからこそ、リーダシップは旅に近いと野田・金井は考えた。前回紹介した『かもめのジョナサン』の主人公もリーダーであっただろう。ジョナサンは1人コミュニティを離れ、しかしいつか帰還して後進を育成するという、リーダーシップの旅を歩んだからだ。
選びたい上司のタイプとは
部下としては、できる限りマネジャーよりもリーダータイプの上司を選びたい。現実的には、指導熱心な上司に目が奪われがちだし、リーダータイプは必ずしも組織に理解されずに変人と思われていることも少なくないだろう。しかし変化の時代である。次の時代に近づくためにも、孤高にも見えるリーダータイプの上司を探しておきたい。
著者紹介 藤沢烈(ふじさわ・れつ)
RCF代表取締役。一橋大学卒業後、バー経営、マッキンゼーを経て独立。「100年続く事業を創る」をテーマに講演・コンサルティング活動に従事。創業前の若者に1億円投資するスキームを企画運営し、話題を呼ぶ。「雇われ経営参謀」として500人以上の経営・企業相談を受けてきた。ブログに毎日書評を掲載し、現在1000冊超。
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