ケータイとブログの「相性のよさ」神尾寿の時事日想

» 2005年05月10日 11時09分 公開
[神尾寿,ITmedia]

 ここ最近、携帯電話をターゲットとするブログの新サービスが相次いで発表されている。

 5月2日にはNTTコミュニケーションズが、ブログサービス「ブログ人」のiアプリ対応版「ケータイブログ人」を発表(5月2日の記事参照)。5月9日には、KDDIとDuogateがau携帯電話とPCを連動させたブログサービス「DUOBLOG」の発表を行った(5月9日の記事参照)

 携帯電話からブログに投稿できる「モブログ」には、すでに多くのブログサービスが対応している。NTTレゾナントの「gooブログ」やマイクロソフトの「MSNスペース」のように携帯電話からの閲覧機能を積極的に用意するブログサービスも少なくない。これまでも携帯電話とブログは接近しつつあり、ケータイブログ人やDUOBLOGはその流れに乗るものだ。

 ブログ(ウェブログ)サービスは2001年、アメリカ同時多発テロの際に欧米のマスコミで注目され、日本の一部マスコミでもその名前が登場。2003年頃から日本でも知名度が上がり、大手ISPやポータルサイトの付加サービスになっていった。

 2004年は日本における「ブログ元年」と呼ぶべき年で、全国紙など一般マスコミでも度々とりあげられた。ブログ開設数も右肩あがりで、例えばブログサービス大手の1つライブドアでは、livedoor Blogの登録数が50万件を突破(2005年5月9日時点)。今年度中に100万件の大台に乗せたいという。

 ブログは「コミュニケーション」「コミュニティ」「メディア」の3要素がミックスされたツールであり、その魅力は情報量の多さと多様性、扱いの手軽さにある。その本質は携帯電話と重なる部分が多く、「ケータイとブログ」は相性のいい組み合わせである。また、カメラ内蔵携帯電話の普及率が高い日本市場ならば、昨年から米国で人気の「Flicker」のような、写真を中心にしたサービスも有望かもしれない。

 しかし、実際にモブログを使ったユーザーならわかると思うが、携帯電話からのブログ利用は、操作性や閲覧性、レスポンスといった面で、PCに比べて使いにくい。ケータイブログ人やDUOBLOGのように“携帯電話向け”を本格的に目指すブログサービスが、この点を解消していく必要がある。

 また、画面の小さい携帯電話でも使いやすい検索サービスや、更新されたサイトを教えてくれるRSSリーダー機能、ユーザーの趣味に合わせたリコメンド機能なども必要になってくるだろう。RSSリーダー機能は昨年jigブラウザが実装したが、一般ユーザーの携帯ブログ利用が増加していくことを考えれば、携帯向けブラウザが標準搭載してもいい機能といえる。

 日本の携帯電話普及台数は約8600万、そのうち約7500万台がiモードなどコンテンツサービスに対応している。携帯電話だけでも簡単かつ快適に利用できるブログサービスが登場する事で、ブログの情報価値とビジネスの可能性は大きく拡大するだろう。

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