8月23日、愛媛県の鉄道会社である伊予鉄道が、FeliCaを利用したICカードシステム「ICい〜カード」とおサイフケータイ対応の「モバイルい〜カード」をスタートとした。本日始発から、松山市内の伊予鉄道および路面電車、伊予鉄グループのバスとタクシーで利用できる。
サービス開始に際して行われたオープニングセレモニーには、伊予鉄道の森本惇社長が登壇。
「(ICい〜カードは)鉄道、バス、タクシーなど異なる交通手段が1枚のシステムで利用できる。おサイフケータイにも対応したが、これらはすべて全国初のサービス」と先進性を強調。公共交通事業者が積極的にIT化を推進することで、ユーザーの利便性向上はもちろん、地域経済の発展や、自家用車利用を抑制する効果で環境貢献ができると話した。
伊予鉄の「ICい〜カード」はデポジットの不要な記名式と、500円のデポジットが必要な無記名式のレギュラーカード2種類を中心に、小児用や障害者割引のものなど複数のカードがある。またレギュラーカードは松山市の観光名所である「坊ちゃん列車」や「マドンナバス」などのデザインカードも用意されている。現在はプリペイドカード機能しかないが、年内には定期券対応も予定しているという。
おサイフケータイ向けの「モバイルい〜カード」は、デポジットは不要で、専用のiアプリをダウンロードして利用する。サービス開発にNTTドコモ四国が関わったこともあり、初期のおサイフケータイ「506iCシリーズ」から最新の「901iSシリーズ」まで全機種対応している。一方で、今年9月からスタートするauのおサイフケータイ「EZ FeliCa」にはサービス開始当初は対応しない模様だ。
現時点でモバイルい〜カードのオンラインチャージ機能はなく、チャージはICい〜カード取扱い窓口および電車・バス車内で行う。残高確認と利用履歴の参照はできる。
伊予鉄グループでは、「ICい〜カード」と「モバイルい〜カード」導入に併せて、駅や路面電車、バス、タクシーにFeliCaのリーダーライターを導入した。中でも注目を集めたのが、駅に設置されたFeliCa改札機。写真のように開閉するゲートがなく、FeliCa専用の改札機になっている。都内で見かけるJR東日本のSuica改札機よりもお洒落で開放的。非接触ICをかざすエリアと液晶が大きいので、使い勝手もよい。
オープニングセレモニー終了時も電車の発着があったが、サービス開始日にもかかわらず、ICい〜カード利用者がちらほら。テレビ取材陣にカメラを向けられる一幕もあった。また、路面電車ではおサイフケータイをかざして降りる乗客もいた。
電車から路面電車、バスにタクシーまで、公共交通を「面エリア」としてカバーした松山市は、日本で最も早く「おサイフケータイが普及した街」になりそうだ。
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