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» 2005年10月12日 10時53分 公開

携帯オークション競争激化のメリット 神尾寿の時事日想:

NTTドコモと楽天がオークション事業で提携を発表した。KDDIも熱心に取り組んでいるジャンルであり、今後、携帯オークション市場はさらに活性化しそうだ。

[神尾寿,ITmedia]

 10月11日、NTTドコモと楽天がインターネットオークション事業で提携すると発表した(10月11日の記事参照)。単なる業務提携ではなく、ドコモが約42億円出資する資本提携だ。これまでコンテンツ/サービスプロバイダーと均等距離を保ってきたドコモだが、今回の提携では“一歩踏み込む”形になる。似たような提携では、三井住友FGとの新クレジットサービス分野での提携がある(4月27日の記事参照)。金融や商取引分野において、最近のドコモは資本提携まで踏み込んで市場創出を促す傾向が顕著である。

本人性確認と決済が“携帯対応”の鍵

 コンシューマー向けのeオークション市場の活性化という点でも、今回の提携は大きな意味を持っている。インターネットオークションは、楽天やYahoo! Japan、DeNAのビッターズなどが手がけて急成長したが、一方で、取引トラブルや詐欺の問題も引き起こした。サービス開始初期の性善説的な運営は難しくなり、クレジットカードによる登録制など本人確認の強化やエスクローサービスの導入など、「オークションの場」を安全にする事が重要になった。しかし、当然ながらこれはコストがかかり、安全性と引き替えに利便性が損なわれるケースもある。

 一方、携帯電話の世界では、周知の通り契約時の「本人性確認」がしっかりと行われており、この身元保証システムがコンテンツサービス利用時にも役立つ。クレジットカード登録など面倒な手続きをしなくても、取引相手が信頼できるのは大きなメリットだ。ユーザー側のリスクを最小限に抑えられるので、オークション利用者層の幅を広げられる。またオークショニアによる取引保証サービスも導入もしやすいだろう。

 決済手段が充実しているのも携帯電話の強みだ。ドコモと楽天は今回、詳細なサービス内容を明かさなかったが、携帯電話の持つ豊富な決済サービスがオークション分野でも利用できれば、ユーザー層の拡大と取引量の増大が見込める。特に代金代行徴収サービスの拡大適用が行われるか、ドコモと三井住友FGの新クレジットカードサービスが簡易な決済サービスを提供するかどうか、などが注目のポイントだ。

 ドコモはオークション分野の進出について、自らは「チャレンジャー」だと述べた。オークション分野でauと激しい競争をすることで、オークション市場そのものを拡大する効果が期待できる。携帯電話ならではの「安心で使いやすい」点がメリットとして反映されるサービスの登場に期待したい。

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