スペインの通信事業者Telefonicaは10月31日、英国の携帯電話キャリアO2を買収することで合意したと明らかにした。O2は英国、ドイツ、アイルランド、マン島にネットワーク事業者を持っている。
TelefonicaはO2に177億ポンド(314億米ドル)を支払うと、ロンドン証券取引所のWebサイトに掲載された発表文には記されている。
これにより、O2をめぐる憶測は終わりを告げることになる。同社は蘭KPN、独Deutsche Telekomなど複数の事業者から買収の申し出を受けていた。
KPNとDeutsche Telekomは、O2にカウンターオファーをするかどうかに関してコメントを控えた。
またこれにより、TelefonicaのKPN買収をめぐる憶測も消える。Telefonicaは200億ユーロでKPNを買収すると噂されていた。
Telefonicaのセサール・アリエルタ会長は金融アナリスト向け電話会見で、O2との取引が成立すれば、同社は欧州でほかに大型買収をする計画はないと語った。
今回の買収は、2001年に英国のVodafone Groupが仏Orangeを410億ドルで買収して以来、最大の規模となるもの。この取引はこれから、特に規制当局の承認を得なくてはならない。Telefonicaは、2006年1月に買収が完了すると予測している。
Telefonicaは欧州で最も大きいドイツと英国の携帯市場への参入に乗り気だと話した。
ドイツに固定回線ネットワーク事業者を持つ同社は数年前、3G携帯電話事業の失敗で、同国での携帯電話事業を捨てざるを得なくなった。
O2を通じて、Telefonicaはドイツで第4位の携帯電話会社O2 Germanyを手に入れる。
「O2はトップクラスの経営陣に率いられ、欧州で最も成長している携帯キャリアの1社となることができた素晴らしい企業だ」とアリエルタ氏。
しかし、もしもTelefonicaがKPNの買収に成功していたら、同社はKPN傘下のドイツ第3位のキャリアE-Plusを手に入れていただろう。
O2は既存のブランドを維持し、引き続き英国に本拠を置くとTelefonicaは説明している。O2は2001年に英BT Groupからスピンオフした。
TelefonicaはO2の買収により、機器の調達などの分野でシナジーを実現し、顧客基盤を約2500万人増やして1億7000万人(ラテンアメリカの顧客含む)に拡大できるだろうとアリエルタ氏は語った。
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