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» 2006年12月08日 22時20分 公開

ワンセグに求められるのは「規模」と「独自性」――KDDIとテレビ朝日の共同検証(2/2 ページ)

[平賀洋一,ITmedia]
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ワンセグ放送の持つ圧倒的な誘導効率

 テレビ朝日では、実証期間中に音楽番組「オンタマ -音魂-」、通販番組「セレクションX」、地域情報番組「ちい散歩」、ドラマ「7人の女弁護士」などで連動コンテンツを配信しその反響などを調べた。

 テレビ朝日 編成部の西勇哉氏は「ワンセグによるプロモーション効果は、これまでのクロスメディア展開に比べて効果が高い」とし、ワンセグデータ放送の利用によりスポンサーサイトへのアクセスが10倍に伸びた事例を紹介した。

 このケースは、KDDIが提供するオンタマを対象番組としたもので、ワンセグデータ放送のほか、固定テレビ向け放送からへのテロップ表示やプレゼントによる誘導施策、インフォマーシャルなどを組み合わせた結果だ。ワンセグデータ放送では、単にバナーを露出させただけでは効果が少なかったものの、インフォマーシャル番組と連携したリンクを長く露出させることで、3〜4倍のアクセス増加につながったという。

photophotophoto これまでの放送と違い、データ放送やモバイルサイトでは告知バナーやリンクの露出時間を増やすことができ、誘導効率が大幅に上がる(左)。これからのワンセグの課題は、対応端末の普及と視聴機会を増やすコンテンツ作り(中央)。EZチャンネルなど、動画配信サービスはワンセグ放送との親和性が高く、組み合わせたときの効果が高い(右)

 データ放送からのサイト誘導が行えるなど、ワンセグ放送は固定テレビ放送よりもネットとの親和性が高い。ただし、単発のキャンペーンでは従来の誘導方法(空メールなど)と大きな差は出なかった。西氏は「テレビ放送をきっかけとしたサイトへの誘導は固定テレビもワンセグも共通。しかし、データ放送ではバナーの露出時間を長く設定できるなど、時間で区切られていた番組やコマーシャルの概念を超えられる」とし、さらに、できるだけ番組内容に即したデータ放送を展開することでさらなる効果が期待できるとした。

 ワンセグデータ放送からのサイトアクセス増加は、Eコマース事業やデジタルコンテンツ事業の収益拡大にも直結している。期間中に、通販番組から販売サイトにアクセスしたユーザーは、固定テレビと比べて約200倍増え、購入率も57倍に増加した。これまでの告知方法よりも圧倒的に高い誘導効率が認められた。

 キャリアと放送局の双方に良い結果が出た今回の事業検証だが、ワンセグ放送の普及拡大がなければ事業として成りたたないのが現実だ。検証期間中にauのみで100万台を突破したワンセグ対応端末だが、携帯電話全体や固定テレビ全体の台数と比べるとまだまだ規模は小さい。今後の課題として、キャリアはワンセグ対応機の普及のほか、動画配信サービスなどワンセグと連動できるサービスやコンテンツの展開を行う必要がある。また、テレビ局の課題には、ワンセグ放送に適した番組作りや、固定テレビとワンセグテレビを組み合わせて楽しめる番組の実現が求められた格好だ。

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