携帯ゲーム機が火をつける、“モバイル”ビデオプレーヤー:神尾寿の時事日想
PSXの新モデルでは、録画した動画を携帯ゲーム機PSPで見られる点が特徴だ。この流れはまずはゲーム機だが、次のステップでは携帯電話での動画再生に移ってくるだろう。
ソニーマーケティングがDVD+HDDハイブリッドレコーダー「PSX」新モデルの発表を行った(3月16日の記事参照)。
今回の新PSXで注目なのは、録画番組をメモリースティックDuoに圧縮・保存し、PSPで見られる点だ。これによりハイブリッドレコーダー内の録画番組を簡単にモバイル環境で視聴できる。
実は、ハイブリッドレコーダーと携帯ゲーム機でモバイル視聴するという組み合わせは、PSX+PSPが初めてではない。「ニンテンドーDS」とゲームボーイアドバンスSP向けの周辺機器「プレイやん」では、松下電器産業のHDDレコーダー「DIGA」シリーズで録画した番組をSDメモリカード経由で視聴できる(1月31日の記事参照)。くしくも、PSPとニンテンドーDSというライバルが、テレビのモバイル視聴という分野でも肩を並べることになった格好だ。
以前に本コラムでも書いたが、ハイブリッドレコーダー購入者は、VTRデッキ使用時よりも録画する番組が増える傾向にある。しかし、当然ながら、自宅リビングでの視聴可能時間は限られるため、必然的にモバイルで見たいというニーズが生まれる。
昨年、HDD内蔵ハイブリッドレコーダーの出荷台数は対前年比で約242%増という急成長を遂げたが、それに比例して“モバイルビデオプレーヤー”の潜在ニーズも増えている。まずは携帯ゲーム機で見られるようになったが、今後は携帯電話でのハイブリッドプレーヤーとの連携が増えるだろう。
カメラになり、音楽プレーヤーになったケータイだが、次は「ビデオプレーヤー」という可能性は大いにある。それに伴い、大容量メモリーカードや動画再生に強い液晶などの需要も喚起されそうだ。
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