動く車内で108Mbpsの常時接続ほか〜会場で見かけた高速通信:Interop Tokyo 2005
ネットワークコンピューティングイベントのInterop。走行中の車内から100Mbps超で常時接続する実験、WiMAX対応チップ、HSDPAなど、モバイル用高速通信展示を見学してきた。
今年で12回目を迎えるネットワークコンピューティングイベント「Interop Tokyo 2005」が6月8日、開幕した。会場で見かけた、ワイヤレスネットワーク関連の展示を紹介する。
時速260キロで走行しながら100Mbps超で常時接続
ルートのブースで展示されているのが「MOBILE IP SOLUTION」。時速260キロで高速移動するクルマの中から、無線LANで途切れることなく常時接続するという技術だ(6月1日の記事参照)。IEEE 802.11a(54Mbps)を2本たばねた実験用の基地局を使って、108Mbpsという高速通信を実現している。
車両に搭載した「モバイルルーター」が、基地局からのビーコンを受信すると、モバイルルーターから基地局へ接続を要求する。基地局とモバイルルーター間の認証・IPアドレス取得・位置登録を行う認証サーバと、モバイルルーターの位置管理を行うホームエージェントサーバを利用してインターネットに接続する。基地局のカバーエリアから出る前に常に新しい基地局との通信を確保するので、高速なハンドオーバーが可能で、パケットロスも起きないとする。
インテル、WiMAX対応チップを展示
インテルブースでは、WiMAX対応チップ「インテル PRO/Wireless 5116」が展示されている(4月19日の記事参照)。
インテル PRO/Wireless 5116はIEEE 802.16-2004に対応したMAC/ベースバンドチップで、固定ワイヤレスブロードバンド機器への利用を想定している。「AC電源からの電源供給を必要とするため、ノートPCや携帯電話など、モバイル機器には利用するには、IEEE 802.16eに対応した新世代のチップが必要になる」(説明員)
Nortel、カンヌでのHSDPA実証実験を参考展示
NortelとBBモバイル(ソフトバンクグループの携帯電話事業会社)は先日、HSDPAの実証実験を共同で行い、14.4Mbpsの通信速度を確認している(5月30日の記事参照)。フィールドテストは、BBモバイルが総務省より取得した1.7GHz帯を用い、Nortel製のハードウェアを利用して行った。
Nortelブースでは、HSDPAの実証実験についての参考展示がされており、「CeBIT 2005」や「3GSM World Congress 2005」で行われたHSDPAの実験を紹介するビデオが放映されている。
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