メディアソケット「聴かせて検索」の場合 :BREWアプリの“売り方”を考える・前編: (2/2 ページ)
ゲーム以外のBREWアプリを販売する時に重要なのが、アプリを「どのように売るか」。2005年のau夏モデルに搭載された新機能である「聴かせて検索」を例に、BREWアプリのビジネスモデルを考える。
端末自体の機能のように作り込めるのがBREWの強み
聴かせて検索アプリを開発したのはメディアソケットだが、発表はKDDIから「W32SA」「W31T」「A5511T」の発表時に、同機種で利用できるサービスとして行われた(5月23日の記事参照)。対応する携帯電話にプリインストールされており、ユーザーからは端末の機能のように見える。対応端末ユーザーであれば、サービス登録すればすぐに利用できる。聴かせて検索アプリの利用料は、月額210円だ。
プリインストールされたアプリは、ダウンロードアプリに比べ、対応端末ユーザーの多くに使ってもらえる可能性が高いが、半面、対応機種以外のユーザーは見込めない。「仕組みとしては、ダウンロードアプリとして作ることももちろんできた。ただ今回は、KDDIが『音楽に関していろいろなことができる端末』を志向しており、その方向にマッチしていたので、(ダウンロードアプリではなく)プリインストールされた、端末の機能として提供することになった。こちらとしても端末の機能として提供したかった」(西本氏)。メディアソケットとしても、聴かせて検索はダウンロードアプリではなく、機能として提供したかったという。
「(アプリを)端末の機能のように作り込めるのは、BREWのいいところだと思う。例えば、EZ・FM(au端末でFMラジオを聴く機能)なども、BREWアプリで実現されている機能だ。このようにハードウェアに密接したアプリを作れることは、端末メーカーにとっても、キャリアにとっても、そしてアプリを作るメーカーにとっても有益なことだ。もしBREWでこういうことができなかったら、すべて組み込みでやらなくてはならなくなる」(西本氏)
西本氏は、BREWの意義について「勝手アプリが作れないなど、『管理されている』面はあるが、それだからこそ携帯の戦略に沿ったアプリが作れるとも言える」と話す。聴かせて検索の位置づけを考えると非常に納得がいく言葉だ。しかしこれは、BREWに早くから取り組み、端末のプリインストールアプリとして採用されるほど、KDDIと深い関係を築けているメーカーだからこそ出てくる発言だとも言える。
メディアソケットのようなメーカーと違い、比較的最近BREWに取り組むようになったソフトメーカーは、実用アプリをどのように流通・販売しようとしているのだろうか? 後編では日立システムの例を見ていこう。
関連記事
- 特集:BREW最新事情
- 海外ドラマで流れた“あの曲”が分かった──auの「聴かせて検索」
海外ドラマを見ていると、たまにハートをわしづかみされる曲が流れることがある。「聴かせて検索」で調べてみると……。 - 夏モデルで「オーディオ・ビジュアルに強い」目指すau
オーディオ・ビジュアルの強さを定着させたいKDDI。地上デジタル放送スタートに向けて、まずはアナログテレビ搭載でコンテンツとの連携を探る。GPSサービスを強化、フルブラウザ機能も強化した。 - EZweb向け音楽検索「聴かせて検索・TV曲名検索」開始
- メディアソケット、Verizon向けにマルチメディアメッセージングサービスを提供
- au携帯からPOPメールサーバにアクセス「POPメーラ」
KDDIは3月1日から、携帯からPOPメールサーバにアクセスできるBREWアプリを提供する。外出先でも、会社のメールアドレスでメール送受信できる。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.