DoJaを超えるJava仕様を提供する──ドコモとサンの「スタープロジェクト」
「JavaOne Tokyo 2005」の基調講演に登場したNTTドコモの夏野氏が、サンとドコモが携帯Javaの共同プロジェクト「スタープロジェクト」を立ち上げたことを明かした。
11月10日に行われた「JavaOne Tokyo 2005」の基調講演に、ドコモ執行役員 プロダクト&サービス本部の夏野剛マルチメディアサービス部長が登場、携帯Javaに関する今後のドコモの計画を話した。
現在ドコモは、iアプリのJava仕様として「DoJa」を開発・採用しているが、夏野氏はこれを超えるアプリ開発を目指してサン・マイクロシステムズとの共同プロジェクト「*プロジェト」(スタープロジェクト)を立ち上げたことを明らかにした。
サンとドコモが共同で携帯Javaのプロジェクトを立ち上げるのは2度目となる。「最初にJavaの携帯電話『503i』を出したときにも2年くらいかかって、サンとの共同プロジェクトで商用化した。同じようなやり方でサンと2社でさらに一歩進めるようなものをやりたい。開発者やJavaをビジネスに利用する企業、ユーザー──皆が有効に携帯電話のJavaを使えるように、さらに質の高いものにする」(夏野氏)
初期のiアプリは簡単なゲームなどが主流だったが、今ではゲームの表現力が「(902iでは)PSPっぽく見える」(同)ところまで向上。2004年には、おサイフケータイのアプリとしても使われるようになるなど用途も広がってきた(2004年6月の記事参照)。夏野氏は「2001年、最初にJava端末を商用化したときにJavaはゲームのためだけにあるのではなく、将来は金融アプリケーションにつなげていきたいと話した(2001年8月の記事参照)。これが今、実現できていることをうれしく思っている」と振り返った。
「そうはいっても、これで満足していてはいけない」ことから、さらなるJavaの進化と開発環境の改善を目指して、*プロジェクトを立ち上げるという。
*プロジェクトでは、ユーザーの使い勝手やパフォーマンスの向上、開発のしやすさ、エンタープライズ向けアプリケーションとの統合のしやすさについてさらなる強化を図る。「DoJaを超えるアプリにチャレンジしたい。今の携帯電話のJavaではやりにくいことをさらに進め、セキュリティを強固で柔軟なものにする」
世界中にさまざまな携帯向けJavaの仕様がある中で、DoJaは作りやすさやアプリの品質の高さが特徴だと夏野氏。こうした良い部分を活かしながら次のステップに進むと話す。「これからJavaは、携帯電話のプラットフォームとしてますます重要性を増す。開発者の方と一緒に有用性を世の中に広げていきたい」
関連記事
- ドコモ、おサイフケータイ向け新機能「トルカ」を発表
FeliCaチップを利用して、店舗の発信する情報を取得する新機能「トルカ」が2005年冬から登場する。取得したデータは対応端末同士でやりとりが可能。対応端末は2005年冬から登場する。 - 「iアプリはゲームのためにあるのではない」──ドコモ
「503i」で動くJavaアプリケーション「iアプリ」のコンテンツは現状はゲームが目立つ。しかしiアプリは最終的には企業向けだとドコモは言う。 - iモードFeliCaの仕様が公開
“iCシリーズ”──iモードFeliCaの発表に伴い、ドコモから仕様が公開された。 - 2005年秋版「おサイフケータイの基礎知識」・前編
NTTドコモに続き、au、ボーダフォンも同じ「おサイフケータイ」という名称でモバイルFeliCa端末を発表、サービスを開始する。おサイフケータイとはどんなもので、何ができ、どのようなメリットがあるのか? 最新状況をまとめた。 - 2005年秋版「おサイフケータイの基礎知識」・後編
NTTドコモに続き、au、ボーダフォンがiモードFeliCaのサービス提供を開始。「トルカ」など、モバイルならではの新サービスも始まる。3キャリア共通で利用できる機能や、キャリア独自の機能について解説する。 - 特集:FeliCa携帯、本格始動
2005年秋、先行するNTTドコモに続き、au、ボーダフォンからもFeliCaチップ搭載端末が登場。いよいよおサイフケータイ市場が本格化する。おサイフケータイという名ではあるが、利用シーンは電子マネーだけではない。鉄道の定期券、会員証、マンションの鍵、個人認証キー等々……携帯とリアルを融合するデバイス、FeliCa携帯の現在を、事業者とユーザーの両方の視点から探る。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.