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イー・アクセス、23区内で初のモバイルWiMAX実証実験を開始
イー・アクセスは、東京都の城南地域に3つの基地局を設置し、2.5GHz帯を用いたモバイルWiMAXの屋外実証実験を行う。期間は1年間。
イー・アクセスは7月14日、2.5GHz帯を用いてモバイルWiMAX(IEEE802.16e)の屋外実証実験を行うための、実験用無線局本免許を総務省から取得した。同社は4月24日に実験免許を申請していた(4月25日の記事参照)
免許の期間は7月18日から1年間で、東京23区内の城南地域に3つの基地局を設置し、セルの設計手法や設備投資効率、2.5GHz帯の電波の伝搬特性、伝送速度、周波数利用効率などのデータを収集する。また、移動中の基地局間のハンドオーバー技術や、IP通信の性能の検証なども行うほか、動画のストリーミング配信や双方向通信アプリケーションの実行、高品質な音楽や映像の伝送、オンラインゲームなど、さまざまな利用シーンにおけるモバイルWiMAXの特性を調査する。
「モバイルWiMAXに関しては、机上のデータのみしかなく、実際に運用した際のデータを持っていない。そのため、基本的なことからすべて検証する」(広報室)という。
モバイルWiMAXには、同社のADSL事業や、イー・モバイルの1.7GHz帯を利用したW-CDMA方式の携帯電話事業を補完する役目を期待する。2.5GHz帯の周波数が割り当てられた場合、1.7GHz帯の電波の届きにくいエリアをカバーしたり、ADSLではスピードが出ない地域の通信速度向上などに役立てたい考えだ。
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