Symbian OS搭載機の出荷台数はPS2と同等──シンビアンの久社長
携帯向けOSを開発するシンビアンが、第3四半期の業績を発表。搭載端末の出荷台数は前年同期比52%増の1300万台に達し、4030万ポンドを売り上げた。
携帯向けOSを開発するシンビアンが、記者懇親会の席で第3四半期の業績と事業の概況を説明した。売上は前年同期比で44%増となる4030万ポンド(約89.9億円)を達成。シンビアンの久晴彦社長は、世界のスマートフォン市場について「欧州がやっと動き始めたが、米国はまだ伸びていないなど、これから伸びる余地がある。日本ではSymbian OS搭載機の出荷の伸び率が前年比185%と好調で、これからどうやってさらに伸ばせるかが課題」とした。
Symbian OSは、世界で最も高いシェアを持つ携帯電話向けOSで、第3四半期の世界シェアは72.8%。日本では三菱電機、富士通、シャープ、ソニー・エリクソン・モバイルがドコモ向けにSymbian OS搭載端末を市場に投入しており、第3四半期の日本国内のシェアは6割に迫る勢いだ(日本のスマートフォン市場におけるシェア。Canalys調べ)。日本でこれまでに発売されたSymbian OS搭載端末は、11月22日時点で6メーカーの42機種を数える。
同社のOSを搭載した端末は、第3四半期に10のライセンシーが106の端末をリリースし、8ライセンシーの49端末が開発中であるなど、好調に推移。2006年第3四半期末までの累計出荷台数は9580万台に達し、11月には1億の大台を突破している(11月17日の記事参照)。
久社長は、1億台という数について「脳の神経細胞は1億あるといわれ、プレイステーション2の販売台数や(海外で定番のボードゲーム)スクラブルの販売数も1億。世界中のWebサイトの数も1億」と、リアル世界で実感しやすいものの数になぞらえて説明し、いかに多くのSymbian OS搭載機がリリースされたかをアピールした。
なおシンビアンは12月11日に、Symbian OS開発者向けのトレーニングセミナー「Symbian Cooking School 2006」を開催する(11月9日の記事参照)予定。シンビアンのマーケティングマネージャーを務める依田多加志氏は、「(Symbian OS向けアプリ開発で実績のある)NTTドコモや富士通の担当者による講演もある開発者向けのイベント。有料ですが、興味のある方はご検討を」と呼びかけた。
関連記事
- Symbian OS搭載スマートフォン総出荷台数が1億台を突破
2006年第3四半期のSymbian OS搭載スマートフォン出荷台数は1300万台、2000年以来の総計では1億台の大台に達した。 - 「D903i」「F903i」がSymbian OSを採用
シンビアンは、11月14日に発売されたFOMA端末「D903i」「F903i」に、Symbian OSが搭載されたことを発表した。 - シンビアン、Symbian OS開発者向けトレーニングセミナーを開催
12月11日、東京・港区のグランドハイアット東京にて、Symbian OS開発者向けのトレーニングセミナー「Symbian Cooking School 2006」が開催される。 - 英Symbianが見据える「スマートフォン業界が直面する6つの課題」
“スマートフォン”の普及が加速する中、スマートフォン向けのオープンOS「Symbian OS」を開発する英Symbianは、将来の挑戦課題として6つのテーマを掲げている。モバイル業界が直面する6つの課題とはどんなものだろうか?
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.