今や100人に1人はモバイルSuica――JR東に聞く「Suica最新事情」:Interview:(3/3 ページ)
携帯3キャリアに対応、クレジットカードを持っていなくても登録が可能になったことで、モバイルSuicaユーザーは着々と増えている。JR東日本のSuica事業は今どのような状況にあるのか、また今後予定されるサービスについて聞いた。
Suica対応コインロッカーの増加や「SuiPo」(8月1日の記事参照)、「えきあど」(10月17日の記事参照)のような新形態のサービスなど、Suica電子マネーを利用する新サービスがこの1年でいくつか登場したが、これらの設置は一段落。今後しばらくはSuica電子マネー加盟店舗を着実に増やす段階に入るという。
「今後はSuica電子マネー対応のネット店舗も増やしたいと考えています。ネットでの利用件数はまだ少ないですが、利用金額が高いので、我々としては力を入れていきたい。目標は今年度中に1000店舗です」(山田氏)
モバイルSuicaのこれからの進化
モバイルSuicaは今年10月にバージョンアップし、他社クレジットカードの対応や細かなUIを改善するなど、全体的な刷新を行った。では今後の機能強化はどのような形で行われていくのだろうか。
「まず今年度中に、ビューカードのサンクスポイントを、モバイルSuica側に還元できるようにします」(山田氏)
また、2007年6月にはSuica電子マネー用のポイントシステムが始まる(11月14日の記事参照)。これにより加盟店独自や、Suica電子マネー対応店舗で共通のポイントシステムが始まることにより、利用促進に弾みがつきそうだ。
「加盟店独自のポイントシステムは、(導入する)加盟店が原資負担をして実現します。一方、加盟店共通のポイントシステムは独自ポイントだと負担が大きいと感じる事業者向けのもので、JR東日本が複数の事業者で共通利用するSuicaポイントを運営し、加盟店とお客様にそこに参加してもらう形になります」(山田氏)
これら新たなポイントシステムで、独自方式にするか、Suicaポイント方式にするか、それともポイントシステムをまったく導入しないかは、加盟店の自由意志に任せされるという。そのため来年6月以降に、同じSuicaが使える店舗でも、ポイントサービスの導入状況で違いが出ることになり、少々分かりにくい状況になりそうだ。しかし、「少なくともJRグループの店舗については、どちらかの方式でポイントが貯まるようになる」(山田氏)という。ビットワレットのEdyにおいて、全日空(ANA)のマイル連携が大きな利用促進効果を及ぼしていることを鑑みると、Suicaポイントも分かりやすい形で広く普及してもらいたいと思う。
2007年、さらに注目のSuica/モバイルSuica
Suica/モバイルSuicaはこれまでも着実に普及と進化をしてきたが、そのペースは2007年も衰えることなく、むしろ速度を上げていきそうである。特にインタビューで語られたように、PASMOのスタートは首都圏における電子マネー普及のひとつのターニングポイントになる可能性が高く、その相乗効果をどれだけモバイルSuicaの利用促進に繋げられるかが、今後のおサイフケータイの広がりにとっても重要な鍵になりそうだ。
2007年も、Suica/Suica電子マネーの動向から目が離せなさそうである。JR東日本の今後に期待していきたい。
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