5分で分かる、今週のモバイル事情:1月5日〜1月13日
「Macworld Conference & Expo 2007」でAppleの「iPhone」がお披露目された今週。「2007 International CES」ではNokiaやMotorolaの新端末が登場した。日本国内では、KDDIがジュニアケータイなど3機種、ソフトバンクが新料金プランを発表した。
「iPhone」がついに登場
「Macworld Conference & Expo 2007」で、米AppleのCEO、スティーブ・ジョブズ氏が、以前から噂の絶えなかったiPodの機能を統合した携帯「iPhone」を披露(1月10日の記事参照)。Macworld Expoの会場内でも、ショーケースに入れられた状態で展示された(1月11日の記事参照)。
iPhoneの重量は約135グラム、外形寸法は縦115×横61×厚さ11.6ミリ。3.5インチ(320×480ピクセル)のディスプレイはタッチセンサーを搭載しており、ほぼすべての操作をディスプレイにタッチして行う仕様になるという。
iPodとしての機能も健在で、音楽/動画の再生や写真の表示などはもちろん、iTunesを用いてPCとのデータのシンクロができる。本体には加速度センサーを搭載しており、端末が縦位置か横位置かを検出して、自動的に写真や映像を回転させる機能を用意。アクセサリーとしてBluetoothヘッドセットなども提供する。
OSにはMac OS Xのサブセット版を採用し、マルチタスクもサポート。メール機能はIMAP4やPOPに対応し、既存のメールサービスが利用できる。また、Safariベースのフルブラウザを装備しており、PC向けのWebサイトが閲覧できるほか、アプリケーション化されたGoogle Mapsなども搭載する。
今回発表されたiPhoneは、GSMクワッドバンド(850/900/1800/1900MHz)/EDGE対応の端末。日本市場にiPhoneが投入されるのは、3G版が開発されてからと予想される。なお米国での出荷は6月、欧州では2007年第4四半期、アジアでは2008年のリリースを予定している。価格は、Cingular Wirelessとの2年契約込みで、8Gバイトモデルが599ドル(約7万円)、4Gバイトモデルが499ドル(約6万円)。
KDDI、子供向け新端末と新サービスを発表
KDDIは、生活防水機能を搭載したジュニアケータイ「A5525SA」、ローティーンの女の子をターゲットにしたSweetsシリーズの第3弾「Sweets cute」、 5つの「でか」機能を搭載した大人向けのシンプルケータイ「A5523T」といった新端末と、位置情報サービスを使った新サービスを発表した(1月10日の記事参照)。
au商品企画本部プロダクト企画部の水野有紀課長補佐は、2007年春モデルの子供向け端末とサービスについて、親が子供のそばにいられない時にも子供と話せて安心でき、居場所を確認できる仕組みを用意する“つながる安心”、分別がつくまで子供を外の世界(インターネット)とつながらないようにする各種機能やサービスを用意する“つながらない安心”を考慮したものだと説明。
新サービスについては、端末の防犯ブザーが起動した場合や電源オフになった際、自動的にカメラが起動して現場の写真を撮影するとともに、1分間隔で最長2時間まで位置情報を測位し、移動経路をサーバに送る「移動経路通知機能」を開始する。また、「安心ナビ エリア通知」「安心ナビ 位置確認」アプリを統合することや、4月上旬から「いつでも位置確認」がPCからの検索に対応することを明らかにした。
ソフトバンク、月額980円の「ホワイトプラン」を発表
ソフトバンクは、月額基本使用料が980円で、1時から21時までの通話はソフトバンク携帯同士であれば無料、それ以外は21円/30秒を課金する新料金プラン「ホワイトプラン」を発表した(1月5日の記事参照)。ホワイトプランは、1月15日に期限を迎えるゴールドプランの「予想外割」に変わる目玉プラン。ゴールドプラン自体は、1月15日以降も予想外割なしで引き続き提供する。
ソフトバンクの孫正義社長は、「ゴールドプランとホワイトプランの一番の違いは、ゴールドプランに設定されていた21時から1時までの月200分という無料通話分がない点。ソフトバンク同士で長く通話し、かつこの時間帯にもある程度話すケースもあり、今後もゴールドプランの存在意義はある」と説明。
ホワイトプランに関しては、「他社と比べようにも、比較しようがないくらいシンプルで安い。“大もうけ”できるわけではないが、それなりに健全に伸ばすことができる。圧倒的大半の方にとって、ホワイトプランはお得な料金プランだと思う」と自信を見せた。
オフィシャルクレジットカード「SoftBankカード」が登場
ソフトバンクとクレディセゾンは、ソフトバンクモバイルのユーザー向けに、オフィシャルクレジットカード「SoftBankカード」を発行する(1月11日の記事参照)。
カードはVISA、MasterCard、JCBの国際ブランド付きの「Softbankカード」(年会費永年無料)と、アメリカン・エキスプレスの国際ブランド付きの「Softbankカード プレミアム」(年会費は本会員が1万500円、家族会員が1050円)を用意。2007年2月1日から、Softbankカードホームページおよび全国のソフトバンクショップで申し込み受付を開始する。
2007 International CES、開催
北米で開催された「2007 International Consumer Electronics Show」で、フィンランドNokiaが、ビデオ携帯「Nokia N93i」とNseriesの最新モデル「Nokia N76」を発表。米Motorolaも、Linuxベースの新端末として「MOTORIZR Z6」と「MOTOMING A1200」を市場投入することを明らかにした(1月11日の記事参照)。
このほか2007 International CESでは、Visa Internationalが、携帯を利用した決済や金融サービス普及のための新プラットフォームを発表(1月10日の記事参照)。技術ツールやアプリケーション、セキュリティ標準、ビジネスモデルなどをカバーした包括的なもので、金融サービス業界と携帯通信関連業界とを結ぶプラットフォームとして、モバイル決済のアプリケーションや関連サービスの開発や提供に役立てたいとしている。
モバイル向け「Windows Live Messenger」β版が公開
米Microsoftは、モバイル対応のインスタントメッセージング(IM)サービス「Windows Live Messenger for Mobile」のβ版を公開した(1月11日の記事参照)。
Windows Live Messenger for Mobileでは、コンタクトリストと会話ボックスが管理しやすくなり、コンタクトの検索やオフラインの相手を非表示にすることなどが可能となる。また、同時に5つのチャットに参加/閲覧でき、現在進行中のチャットの履歴は維持されるため、途中で切れたチャットを再び続けることも可能だ。
Windows Live Messenger for Mobileのβ版は、携帯からWebサイトにアクセスし、「Messenger beta」をクリックすると利用できる。
関連記事
- 12月16日〜12月22日:5分で分かる、今週のモバイル事情
システム障害のため、auのMNP業務が一時停止した今週。マイクロソフトは、2007年にWindows Mobile搭載機を10機種以上ラインアップしたいとの目標を示した。またソフトバンクモバイルは、2007年1月から「ウェブ利用制限」の運用を厳格化すると発表した。 - 写真で解説する「iPhone」
- 3.5インチタッチパネル搭載の「iPhone」、6月に発売
- ショウケースに守られた「iPhone」、実際の使い心地は?
- 大切なのは“つながる安心”と“つながらない安心”──auが考える親子の携帯
- 子ども携帯は“北欧のおもちゃ”、Sweets cuteは“クリームにディップしたビスケット”──柴田文江氏
- 写真で解説する「ジュニアケータイA5525SA」
- 写真で解説する「Sweets cute」
- 写真で解説する「A5523T」
- 反省して学習した「ホワイトプラン」が狙う携帯市場――ソフトバンク孫社長
- 付帯条件は一切ありません──ソフトバンク、月額基本料980円の「ホワイトプラン」を発表
- Nokia、ビデオ携帯「Nokia N93i」を発表
- Nokia、Nseriesの新端末「Nokia N76」を発表
- Motorola、Linuxベースの携帯2種を発表
- Visa、モバイル決済プラットフォームを発表
- MS、モバイル向けWindows Live Messengerをβ公開
- ソフトバンクのポイントサービス付き公式クレジットカードが登場──「SoftBankカード」
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.