プレステ2のブロードバンドサービス,いよいよ本格展開へ
DNASは,PS2とソフトウェアのID番号を使い,ネットワーク上のデータベースで一括管理する仕組みだ。パッケージを購入したユーザーがDNASの制御下でHDDにソフトをインストールすると,付加情報がHDD内に組みこまれる。この情報をデータベースと照会することで,ソフトの期限付き利用やHDDへのインストール制御,ユーザーの年齢に応じたペアレンタルロック(コンテントの視聴制限)といった管理機能を実現する。
使い方によっては中古ソフト販売の抑制にも一役買いそうだが,「ソフトメーカーは,雑誌の付録などを通じて広くソフトを配布し,課金によって機能制限を外す流通方法にむしろ興味を示している」(久夛良木氏)という。 この,“パッケージとネットワークの両立”もブロードバンドサービスにおけるコンセプトの1つだ。オンライン配信は,従来の販売店マージンや受託販売にかかるコストを省き,ソフトウェア製作者の利益を維持しながらコンテンツ価格を引き下げることに繋がる。 SCEIは,今年7月にDNASサーバの試験運用を開始。スクウェアが運営する「PlayOnline」や12月に始まる「Final Fantasy XI」のサービスを通じてベータテストを行う。なお,久夛良木氏によると,「4月以降に発売されたPS2のディスクには,すべて固有IDを付加してある」という。 このほか,ネットワーク経由でPS2のファームウェアをアップデートすることも検討中だ。久多良木氏は「ハードディスクレコーダー」や「ハイビジョン出力」を例に挙げ,いずれも「ファームウェア1つで可能になる」とした。「専用AV機器(の機能)には及ばないが,DVD-Videoのときと同様,デジタル家電のプロモーションとして提供できる」。リビングルームに置かれたPS2は,オンライン化により,デジタルメディアを統合するハブの機能を持つことになるだろう。 PS2の725万台(国内,11月末時点)という出荷台数と急速なブロードバンドインフラの普及を背景として,シナリオ通りの展開を見せ始めたSCEI。昨年の時点では今の状況を予測できなかったと言う久夛良木氏は,「タイミングとしては“しめしめ”という感じ」と笑った。
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