ニュース 2002年6月21日 11:45 PM 更新

8MbpsオーバーADSL、事前に知っておきたいこと

アッカ・ネットワークス、イー・アクセスの両社が8Mbpsを超えるADSLサービスを相次いで発表した。サービス開始にはまだ間があるが、事前に知っておくべきポイントを挙げてみた

 アッカ・ネットワークス、イー・アクセスの両社が8Mbpsを超えるADSLサービスを相次いで発表した。昨年のフルレート化に続く、新たなスピード競争の幕開けといえそうだ。ただし、ユーザーは、これらを一括りにして考えることはできない。サービスと回線状況によってスピードアップの可能性に差があり、また移行に伴う手続きも異なるためだ。

チェック1:移行に伴う費用、手続き

 アッカの場合は、当初「拡張型Annex C」と一括りにしていた技術群を段階的に提供する。まず、7月中旬に「S=1/2」技術を適用して最大10Mbpsを実現、秋には「C.x」(仮称)を使った新メニューをラインアップに加える(詳細は4月15日の記事を参照)。

 7月中旬のS=1/2適用時は、ユーザーはファームウェアをアップデートするだけ。ほかに手続きは必要ない。現在、8Mbps前後でリンクしているユーザーであれば、スピードアップが期待できるだろう。ただし、新ファームウェアが提供されるのは富士通製モデムのため、現在NEC製モデムを使っているユーザーは、事前に交換してもらう必要がある。

 また、ADSLモデムだけをアップデートしてもNTT収容局側が対応していないとスピードアップは実現しない。アッカは、同社サイトで局側のアップデート情報を随時更新する予定だ。

 ISPに関しては、あまり気にかける必要はなさそうだ。既にOCNASAHIネットがサポートを表明しているが、アッカは回線を提供しているすべてのISPが対応する方向で調整を進めている。いずれも、月額料金や初期費用は従来と同じになる見込み。

 これに対して、イー・アクセスが10月に開始する「ADSLプラス」は、新しい“上位メニュー”としてラインアップに加わる。つまり、既存ユーザーであってもメニュー変更の手続きが必要になるわけだ。状況としては、フルレートサービス(8Mbps)登場時に似ている。

 料金体系も変わる。既に対応を表明したBIGLOBEでは、初期費用は従来と同じだが、月額料金は100円アップの3380円。速度向上とセキュリティ面の機能アップなどを考えればお買い得といえるだろう。新規にイー・アクセス回線を導入するのであれば、迷うことなくADSLプラスを選ぶべきだ。

 しかし、気になるのは、既存ユーザーの移行にかかる手続きと費用。アッカの場合と異なり、こちらはメニュー変更とモデムの交換が必要になるが、詳細は「急遽発表されたこともあり、まだ確定していない」(BIGLOBE)。メニュー変更に係る費用が明らかになるのは7月に入ってからになる見通しだ。

 8M超ADSLサービスに関するスケジュールは以下の通り。

時期内容
6月アッカ、イー・アクセスが8Mbps超サービス発表
7月中旬アッカ、最大10Mbpsを実現するファームウェアをリリース。東京23区から対応
8月初旬イー・アクセスの「ADSLプラス」、各ISPが受付開始
〜9月末アッカ、最大10Mbpsサービスを全国534局まで拡大
10月〜イー・アクセス最大12Mbpsの「ADSLプラス」を全国563局で開始
秋頃(時期未定)アッカ、「C.x」(仮称)技術を導入。距離に関わらずプラス500Kbpsを上乗せ。最大12Mbpsメニューの追加も検討中
冬頃(時期未定)イー・アクセスが次世代ADSLを導入。詳細は未定ながら最大16Mbpsや20Mbpsの可能性も

チェック2:スピードの上がる人、変わらない人

 両社が採用したS=1/2の技術は、回線状況の良い人にだけ恩恵を与える。まず、この点を認識しておくべきだ。

 下り最大速度が向上するのは、「現在の8Mサービスで8Mbps以上のリンク速度が出ているユーザー」(イー・アクセス)。「NTT局から2キロ以内、24dbよりも減衰が少なければ、速度が向上する可能性がある」(アッカ・ネットワークス)。


アッカ・ネットワークスがシミュレーションで導き出した距離と速度の関係を示したグラフ(出典はアッカ・ネットワークス)

 つまり、現在のサービスで8Mbps近くでリンクしていなければ、新サービスでも10Mbpsあるいは12Mbpsといった上限の速度を出すことは難しい。8Mbps近くでリンクしていれば、それなりのスピードアップが期待できるが、それ以下のユーザーはアップデートするか、再考するべきだろう。

 また、新規に加入する場合は、各社が提供している線路長検索システムなどを活用して情報を集めておくことをお薦めしたい(関連記事123)。

 ただし、イー・アクセスのADSLプラスには、4つの機能がある(6月19日の記事を参照)。その中には、NTT収容局からの距離に関わらず、100〜500Kbpsの速度向上が期待できる「Linkプラス」が含まれている。

 これは、方式は異なるが、アッカが「C.x」で実現する機能を一部先取りしたものといえる。実際の効果は情報のアップデートを待つ必要があるが、検討する際の材料にはなるはずだ。

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▼ アッカ・ネットワークス
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[芹澤隆徳, ITmedia]

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