連載 2002年10月18日 09:13 PM 更新

Streaming Now!〜流れをつかめ!
有料コンテンツは無料で見せろ?

有料コンテンツというヤツは、お金を払わなければならない。当たり前だ。だけど、ホテルにあるペイパービューだって、「チョット見」はできるもの。この仕組みを、もっと活用できないだろうか?

 私は常日頃、「有料コンテンツというのはなかなかうまくいかん。やるとしたら、会員制にして『会費月いくら。中にあるコンテンツ見放題』のほうがいい」と主張している。これは、ストリーミングビジネスにおいて、ある程度の成果を収めているアダルトコンテンツのKUKIさんからお話を聞いたことが大きい。今でも、基本的にはそう考えている。が、それにしても、コンテンツの単体販売ももう少しうまくいって然るべきである。はて、どうしてうまくいかないのだろうか? と考えてみた。

 そこでいろいろと調べていて、わかったことがある。多くの場合、有料コンテンツを見ようとすると、購入前の画面では価格とちょっとした説明が示されているものの、その内容を動画でプレビューすることできないのである。テキストやら静止画やらで内容の説明は書かれているのだが、どんなものだか、さっぱりわからない。結局のところ、ユーザー側は「○○○子の○○教室」といったタイトルを見て、「ああ、○○

    子が出ているんだな」と思って買うしかない。つまりタレントのネームバリューだけで勝負しているようなものが多いのだ。

 別に「タレントの力を借りているから悪い!」というつもりはない。問題は、今の手法では、コンテンツとしての出来がまったく想像できないという点にあるのだ。結果として、特定のタレントのファンにしか見られないものになってしまう……。少しでも多くの人にしっかりと見られるものを提供したいのであれば、当たり前の話だが、内容を充実させなければならない。その上で「このコンテンツは充実してるんです!」というのを力一杯主張してほしいのだ。ホラ、テレビ番組の宣伝なんかでも、「藤原紀香がアフガニスタンに……」とかって盛んに宣伝するでしょ? そうすると、藤原紀香に興味がある人はもちろん、アフガニスタンの動向に興味がある藤原組長のファンとかまで見てしまうわけでしょ?

 というワケで、たとえ「タレントもの」であったとしても、本当にいいコンテンツであれば、サンプルをしっかりと見せることで、そのサンプルがいい広告となり、販売数が増加するハズなのだ。

目にとまった「チェリーボム」の宣伝ストリーミング

 そうやっていろいろと見ていたら、ちょっとヒントになりそうなサイトを見つけた。アダルト系なのだが、スカイパーフェクTVでアダルトチャンネル「チェリーボム」を運営しているアスパイアビジョンのサイトである。同社は、このチェリーボムの内容をストリーミングCMとして期間限定で配信しているのだ(記事参照)。最終的にスカパーに加入した上で、有線放送の番組を購入するワケだから、先程の話とはちょっと違うが、「無料で見せて、有料へと誘導する」という手法という意味では、同じである。

 これをこのままストリーミング販売へと応用する方法はないのだろうか? もちろん、そういう手法を使っているサイトがあることは存じ上げている。ただ、どこも「番組宣伝」を効果的に用いているようには思えないのだ。

 以前、このコラムでも触れたように、ストリーミングにおけるCM挿入については様々な会社が参入し、研究している。が、肝心の「番宣」というものにはあまりお目にかかったことがない。これは非常にもったいない話である。

 もちろん、宣伝なので、必ずしも自分のサイトで宣伝する必要はない。例えばストリーミングの番組表を作っているサイトが、一括して各社の番組宣伝を行い、実際の番組の一部を見せてくれたら、それはそれで成り立つと思う。ストリーミングにおけるポータルサイトというのは、そこまでできなければならないのではないだろうか?

P2Pはプロモーションに最適かも

 で、先程のチェリーボムだが、ここでは、以前取り上げたシェアキャストによるP2Pストリーミングの技術が使われている。ここでいうP2Pとは、「受信したストリーミングが、そのまま別のユーザーに送られる」という意味である。子、孫と、どんどん下にぶら下がっていくことで、擬似的にマルチキャストの状態を作り出す。

 これは、「何人見るか、わかんねぇよ」という時に有効である。つまり、何人がアクセスするかわからないような、プロモーション用のコンテンツに最適といえる。

 ただ、私もこのサイトで何度か試してみたが、運悪く、あまり帯域に余裕のないユーザーの下にぶら下がってしまった場合、フレーム落ちが激しくなったり、バッファリングが頻繁に起きてしまったりする。このあたりをクリアできるようなインテリジェントな技術にならないと、まだまだ有料コンテンツとしては通用しないだろうが、だからこそ「無料プロモーションに使おう!」というワケなのだ。

動画の魅力は動画でしか伝わらない

 動画配信は基本的に、配信側にとっても、視聴者側にとっても面倒なものである。時間軸も決められているのだから、Webページ検索のようにグリグリとサーフィンするわけにはいかない。でも、だからこそ、その魅力を動画で伝えていかなければならないと思うのだ。

 ついでに言うと、このチェリーボムのコンテンツは、定期的に内容が変わるという。いつも決まりきったサンプルを置くのではなく、このような姿勢でアップデートしていくことが、重要なプロモーションになるのではないだろうか? 割と当たり前のことばかり述べてしまったような気がするが、その当たり前のことが行われていない、ということが問題なのである。



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[姉歯康, ITmedia]

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