リビング＋：オンラインゲームで熱くなれ！

リビング＋：特集

2003/01/31 23:59:00 更新

特集：で、ブロードバンドで何ができるの？(5)
オンラインゲームで熱くなれ！

ネットワークゲームなら、“人間同士”の熱いプレイに夢中になることも可能だ。Xboxやプレステとブロードバンド回線を接続して、次世代ゲームを楽しもう

　ブロードバンド回線を手に入れて、思いつくエンターテインメント・コンテンツのひとつが、人間同士の熱いプレイに夢中になれる、ネットワークゲームだ。広帯域、常時接続の環境なら、最新グラフィックで描かれたネットゲームが気軽に楽しめる。

　家庭用ゲーム機にブロードバンド回線を組み合わせれば、いつものゲームとは一味違う世界に足を踏み込める。ネットワーク上に構築されたバーチャルワールドに、リビングが直結されるのだ。

PCでネットゲームを楽しむ

　すでにPCを活用している人にとって、PCでプレイできるネットゲームは、手軽にチャレンジできる選択肢の一つ。ジャンルも、気楽に遊べるボードゲーム的なものから、本格的なネットRPGまで豊富だ。家庭用ゲーム機のタイトル同様、店頭でパッケージ販売を行っているものもあれば、オンラインでソフトをダウンロードできるものもある。

　一昔前までは、オンラインゲームというと海外のタイトルをプレイするユーザーも多かったものだが、最近ではそうしたタイトルが続々と日本語にローカライズされているのも、嬉しいところ。「ラグナロクオンライン」のような、可愛くて親しみやすいネットRPGや、ネットRPGの元祖ともいうべき「ウルティマオンライン」など、さまざまな海外発のゲームタイトルを楽しめる。

　なお、PCでネットゲームをプレイするにあたって、一つ気をつけなくてはならないのが、マシンスペックだ。カードゲームやボードゲームといった、2Dグラフィックのものならともかく、3Dグラフィックで画面を描写するゲームをプレイするには、それなりのマシンが必要となる。特に新しいゲームほど、ハイスペックなマシン環境が要求されるのだ。

ラグナロクオンライン

　剣と魔法の世界を舞台にした、ファンタジーRPG。可愛いキャラクターと、広々として美しい世界に加え、わかりやすいインタフェースが魅力で、初心者でもチャレンジしやすいタイトル。ソフトウェアは無料でダウンロード可能で、月額料金は1500円。集まっているプレイヤー達の雰囲気も、ネットコミュニティを十分楽しめるものとなっている。

ガンダムネットワークオペレーション

　「機動戦士ガンダム」の一年戦争を舞台にした、ネットワークシミュレーションゲーム。パッケージはオープン価格で、月額料金は900円。地球連邦軍かジオン公国軍、いずれかに所属する戦艦の艦長となり、部隊を率いて宇宙や地球での戦闘に参加する。

　特定のチームに入って、仲間のプレイヤーとともに作戦に参加したり、手に入れた報酬で新たなモビルスーツを購入したりしながら、戦闘での勝利で自分の地位を上げていく。連邦対ジオンの戦況は刻一刻と変化し、現実世界の3カ月間で戦いの決着がつくようになっている。

　自分が直接、戦闘に参加することもできるが、自分の部隊を戦場に置いておけば、指示をしなくてもある程度の戦闘は行える。いわばつきっきりでプレイしなくても、後でプレイ結果を確認できるという、一風変わったシステムを採用している。

Xboxでネットゲームを楽しむ

　米Microsoftが発売する家庭用ゲーム機、Xboxでは「Xbox Live」と呼ばれるネットゲームサービスを展開している。“しゃべれるオンラインゲーム”の売り文句の通り、ヘッドセットマイクでほかのプレイヤーとしゃべりながらの、ライブなネットゲーム対戦を楽しめるのが最大の特徴だ。

　Xbox本体のほかに、「Xbox Live スターターキット」（6800円）を用意することでプレイできる（記事参照）。スターターキットには「ボイスコミュニケーター」と呼ばれるヘッドセットマイクが同梱されている。これを利用することでほかのプレイヤーと音声コミュニケーションをとるわけだが、自分の生声では恥ずかしい人（あるいは、ことさらに性別、年齢などを隠したい人）は、“ボイスチェンジ機能”で声音をいろいろ変更してしゃべることもできる。

PHANTASY STAR ONLINE

　複数のプレイヤーと一緒に、惑星「ラグオル」での調査を進める、3DアクションRPG。プレイヤーはそれぞれ、「ハンター」「レンジャー」「フォース」など特徴を持ったキャラクターを選択して戦う。パッケージはスターターキットに同梱されている。月額料金は600円。

　強い敵に立ち向かうには仲間との連携が重要なため、ボイスチャットですぐに意思疎通ができるXbox版は、非常に臨場感がある。

フィッシング・ライブ・オンライン

　2003年発売予定の、多人数同時参加型の釣りゲーム。価格などは未定。自分専用の別荘から様々な湖に出かけ、四季や天候、時間によって変化するポイントを探りながらルアーフィッシングを楽しむ。

　魚のリアルな生態を細かくシミュレートしており、湖の環境に合わせた「回遊」や「スレ」などの細かい設定もなされている。ほかのプレイヤーとのコンペにチャレンジしたり、のんびり一人で釣りを楽しんだり、出会ったほかのプレイヤーと一緒に出かけたりと、楽しみ方もさまざま。実在の釣具メーカーと提携した数々の釣具が、釣り好きを満足させそうだ。

首都高バトルOnline

　首都高速道路、いわゆる“首都高”上で繰り広げられる、オンラインカーレースゲーム。3月からサービス開始予定で、パッケージ価格は未定だが、予定月額料金は1200円。

　面白いのは、首都高上で“パッシング”をすることでバトルが開始される点。相手の精神力ポイントがゼロになると勝利する設定になっており、細かい部分で“走り屋”たちのバトルを再現している。

PlayStation 2でネットゲームを楽しむ

　家庭用ゲーム機のPlayStation 2（PS2）では、「PlayStation BB」というオンライン・サービスが行われている。既存のPlayStation 2に「PlayStation BB Unit」という周辺機器を接続することでサービスを利用可能で、「ファイナルファンタジー（FF）」シリーズの最新作である「FF XI」などのタイトルが用意されている。ほかにも、「みんなのGOLFオンライン」「信長の野望 Online」など、従来の家庭用ゲーム機版として人気のあるゲームタイトルが、数多くネットゲーム化されている。

　PlayStation BB Unitの入手先だが、街中の家電量販店などでは手に入れることができない。PlayStation BBサービスに提携している、特定のISPなどから購入、もしくはレンタルする必要がある。また、自分の所有するPlayStation 2本体の型番によって、利用できるユニットのタイプが異なるため、購入時は注意が必要だ（記事参照）。

　実際にプレイを始めるまでに、やや煩雑感を伴うほか、PlayStation BB Unitの価格も少々高いように思うが、タイトルの中にはゲーム好きには見逃せないものも多い。すでにPlayStation 2本体を持っている人なら、これからの展開に期待する上でも、ぜひ押さえておきたいサービスだろう。

ファイナルファンタジー XI

　ヴァナ・ディールと呼ばれる美しい世界を舞台にした、多人数同時参加型のネットRPG。数多く存在するクエスト（冒険イベント）などにチャレンジしながら、自分の分身であるキャラクターを成長させていく。何千人というプレイヤーと同時にひとつの世界の中に存在することができるRPGのため、様々な出会いを体験できる。パッケージの価格が7800円、月額料金が1280円。

　ゲームの規模、質、グラフィック、世界観、音楽など、現存する世界中のネットゲームの中でもトップクラスをひた走る、ビッグタイトルといえる。個人的には、何はともあれプレイしてもらいたいタイトルのひとつ。4月17日は、エリア追加、モンスター追加を実現する拡張ソフトウェア「ジラートの幻影」の販売が予定されている。なお、昨年末にはPC版も発売されている（記事参照）。

編集後記：……で、結局ブロードバンドで何ができるのか？

　今回の特集では、コンテンツ配信、ファイルの受け渡し、情報発信、コミュニケーション、ゲーム、の5つの切り口から、各サービスの紹介を行った。しかしこれらは、本来別々に語られるものではない。たとえばファイルの受け渡しの際にも、コミュニケーションは生じ得るし、ゲームの世界である種の情報発信を行うことはあるだろう。いずれ、これらのサービスが収束し、一つの「ブロードバンドサービス」を形成すると予測するのは、考えすぎだろうか。

　そのブロードバンド・サービスは、別の言葉でいうなら、限りなくリアルに近い仮想現実世界。そして、現実世界の日常から“ネットワールド”へ移動できるように、ぽっかりと目の前にあいたトンネルこそが「ブロードバンド」の正体かもしれない。

　こうしたサービスに熱中するユーザーを指して“逃避的”と見る向きもあるだろうが、筆者はそれほどネガティブにとらえてはいない。むしろ、そうした仮想現実が現実と補完し合うことで、行動範囲を広げてくれたり、楽しみを増したりするのではないだろうか？あなたは、ブロードバンドで何ができますか？