Living Plus Weekly Top10(6月15日〜21日)
下り最大24Mbpsもしくは26Mbpsという高速ADSLサービスのニュースが相次いだ。新しい技術が多く盛り込まれているが、それらがすべてのユーザーに対して有効とは限らない
先週から今週にかけ、下り最大24Mbpsもしくは26Mbpsという高速ADSLサービスのニュースが相次いだ。各社の傾向をみていると、接続料金は12Mbpsサービスに数百円の上乗せ、ISP料金は概ね横這いといった印象だ。1クラス上のプレミアサービスというよりも、一気にスタンダードを狙える価格付けとなっている。 とはいえ、24Mbpsサービスに関する情報はまだまだ少ない。もともと通信のために作られたわけではない電話線を使うだけに、それぞれの環境に大きく左右されてしまうADSL。24Mbpsサービスには新しい技術が多く含まれているが、それがすべてのユーザーに有効とは限らない。 たとえばS=1/4。これは、12Mbpsサービス登場時に注目さを集めたS=1/2をさらに一歩進めたものだ。かいつまんで説明すると、エラー訂正を“雑”にして、代わりに高いデータ転送レートを得る技術(詳細は昨年4月の記事を参照)なのだが、有効なのはADSLのリンクレートが高い場合に限られる。つまり、もともと回線状況の良くないユーザーにはあまり意味がない。 ダブルスペクトラムも同様。周知の通り、電気信号は周波数が高い部分から減衰していく。それを上に拡大しても、もともと低い周波数の部分しか使えなかったユーザーは速度アップにつながらないだろう。もちろん、既存ADSLサービスで使う1.1MHz以下の周波数帯に“たまたま”ノイズが乗っていたという人なら、ダブルスペクトラムとなって格段に速度が向上する可能性だってあるはずだ。実際のところ、導入してみないと結果はわからない。 ただ、「乗り換えるだけの価値があるのか」を判断する材料は早く欲しいと思う。どの程度の線路長(NTT収容局からの距離)なら速度向上が見込めるのか。速度向上以外のメリットはあるのか。サービスエリアは従来よりも拡大するのか……。今後、各社が公表する予定の検証結果を待ちたい。
[芹澤隆徳,ITmedia] ![]() モバイルショップ
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