今の企業ビジネスシーンにふさわしい「ファイル共有」のあり方とは?社内ファイルサーバからの脱却

社内ファイルサーバやメール添付に始まり、グループウェアや社内SNSの活用、さらにはビジネスチャット、オンラインストレージへとファイル共有の方法は進化を続けてきた。その結果、さまざまな仕組みが新旧混在し、企業によって状況がバラバラというのが現状だ。そこから浮かび上がる企業課題と、その先の展望などを考えたい。

» 2016年08月23日 10時00分 公開
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 「仕事を進める上で、ファイルのやり取りは欠かせない」。このことは多くの人が納得できると思う。ただし、その方法はというと、さまざまな手段、製品、サービスが入り乱れ、「企業ごとにバラバラ」としか言いようがないのが現状だ。

 長く使われてきたファイルサーバや、メール添付でのファイル共有は今も普通に行われている。一方で、スマートフォンやタブレットの普及もあり、オンラインストレージのようなクラウドサービスをメインに使っている人も少なくない。もともと個人向けサービスから普及し始めたオンラインストレージだが、今では企業向けサービスが多く提供され、導入企業も増えている。多くの選択肢がそろった今、まさにファイル共有の方法は過渡期を迎えているのだ。

 ファイル共有を考える上で、一番のネックとなるのが「社外とのやり取り」である。取引先など「自社以外の会社」というだけでなく、外出中、在宅勤務など「自社(オフィス)の外」にいる人とどうファイルを共有するかが問題となっている。モバイルの進化、ワークスタイルの多様化とともに多くのビジネスパーソンがオフィスの外で仕事をする機会が増えていく。そうなると、社内ファイルサーバやメールを使ったファイル共有では立ち行かなくなっていくだろう。

 言うまでもないが、この課題の背景にはファイルの大容量化がある。動画や高解像度の画像などをはじめ、これまでとは桁違いに大きいファイルをやり取りする機会が増え、メールでは容量制限で送れない、受け取れないケースも多い。

 アイティメディアが運営する企業向けIT関連情報サービス「キーマンズネット」によるアンケート調査でも、約4割がメールでのコミュニケーションに「課題がある」と回答し、課題の内容としては「ファイルの容量によってメール送受信ができない場合がある」が50%でトップ、という結果であった。

オンラインストレージの業務利用の現状

 社外の人にどうやって大容量ファイルを送るのか、モバイルワーカーやテレワーカーが社内のファイルにアクセスするにはどうするのか、メールの不自由さをどうクリアするのかといった問題への解決策として期待されるのがオンラインストレージである。その名の通り、オンライン(クラウド)のストレージサービスで、場所や端末を問わずどこからでも同じファイルにアクセスできる、社外へのファイル受け渡しに使える、大容量ファイルにも対応している、といった特徴がある。

 普及のきっかけは、2011年ごろからGoogleやDropboxなどが個人向けにサービス展開を始めたところに遡る。無料、大容量、どこでも使えるといったメリットは驚きとともに受け入れられ、あっという間にユーザー数を伸ばしていった。その結果、これらの無料サービスを業務で勝手に使うケースが続出、機密情報漏えいにつながった企業もあった。企業で問題視され、「無料サービス利用禁止のルール策定」「無料サービスへのアクセス制限」などの対策が打ち出されたのだが、「便利だから」と使う人は後を絶たない。その後、法人向けをうたい、セキュリティや管理機能を強化したサービスが登場し、企業として導入するケースが増えている。

 しかし、キーマンズネットのアンケート結果によると、企業で「指定された有料サービスを利用している」「企業で指定された無料サービスを利用している」が合わせて3割ほどにとどまる一方、「利用していないし、今後の利用もない」が6割近くで、完全に普及したとはまだ言えないようだ。特に100人以下の中小企業では「企業で指定されていないがサービスを利用している」が21.5%と突出して高く、IT管理者がいない、明確にポリシーが定められていない中、プライベートの延長線上で各種サービスを利用している様子も浮かび上がってくる。

オンラインストレージの選定基準は?

 オンラインストレージの選定において、最も重視されているのが「コスト」だ。サービスによって料金体系が異なるため、一概に比較できるものではないが、「容量制限」と「ユーザー数」の2つをベースに自社の状況と照らし合わせて選ぶのがいいだろう。特に容量は、大容量ファイルを保存しているうちにあっという間に制限を超えてしまった、という声も多いので、自社でよく使うファイルのサイズなどを確認の上、注意して選びたい。

 もう1つ、オンラインストレージで重視されているのが「セキュリティ」だ。業務データを保管するだけあって、シビアにチェックする企業も少なくない。特にクラウドならではなのが「データの保管場所が国内であること」という条件だ。海外サービスのため、自社データが日本の法律の届かない海外に保管されていた、ということのないよう気を遣う企業が多い。

 併せて、保管したファイルに細かくアクセス権を設定できるかどうかも要チェックだ。フォルダやファイル単位で閲覧・編集できる権限を設定するなど、オンラインストレージにも社内のファイルサーバと同様のアクセス管理が求められている。LDAP連携、Active Directory連携など既存のID管理システムなどと連携できるサービスもあるので、確認するといいだろう。

 そのほかにも履歴管理や、データの同時入力、検索、サムネイル/プレビュー表示など各種機能はサービスによって差が大きいのが現状だ。具体的に「自社ではどう使うのか」をイメージしながら選定することで、「使いにくい」「使われない」という結果は回避できるはずだ。

「脱メール」のトレンドが、オンラインストレージ普及を加速する

 ファイル共有の今後を考える上で忘れてはならないのが、このところ進んでいる「脱メール」の流れだ。言うまでもなく「LINE」の大流行が背景にある。プライベートで爆発的に普及したLINEによるコミュニケーションの速さ、気軽さ、便利さを仕事に取り入れる人が現れるまでにそう時間はかからなかった。新しいツールに親和性の高い、若い世代を中心に仕事の連絡もLINEでする人が増えた。当然ながらここでも無料ツールの業務利用という問題に突き当たり、“ビジネス版”製品が続々と登場するところまで一気に広まった感がある。

 メールのような定型的な挨拶のない、リアルタイムかつスピーディなやり取りこそがこのようなビジネスチャットのメリットだが、一方でそこにメールのようにファイルを添付するかというと、あまり現実的ではない。オンラインストレージなどを併用し、ファイルはそちらで共有、リンクをやり取りする、という流れに自然と落ち着いていくだろう。脱メールが進めば進むほど、オンラインストレージの普及も加速していくと予想される。

 ファイルの大容量化、モバイルやクラウドの普及、テレワークなどワークスタイル変革の推進、そしてビジネスチャットの浸透。さまざまなキーワードが錯綜する中、今後のファイル共有はどうなっていくのだろうか。最新ツールを使いこなしている企業のイメージを見てみよう。

 例えば、次回の月例ミーティングの資料を作成したとする。メンバーと共有するために、オンラインストレージにファイルをドラッグ&ドロップし、ビジネスチャットでリンクを送っておく。ファイルを受け取った営業は外出中でもタブレットから資料を確認、自身の数字などはその場で編集・追記して終わりだ。

 テレワークで仕事をしているメンバーも同時にファイルを修正しているが、ツールは同時入力に対応しているため、特に問題はない。すべての修正が反映された「最終版」がオンラインストレージ上にあっという間に完成していく、といった具合だ。逆に、顧客への提案資料も会社で印刷してから行くのではなく、オンラインストレージ上のファイルをタブレットで表示しながらプレゼンできる。社内のメンバーがアポイント直前に最新のデータを反映する、資料の内容をギリギリまで精査してからプレゼンに臨むといったことも可能になるのだ。

 これをすべて社内のファイルサーバやメールだけでやるのは、できなくはないが厳しい、というのが素直な感想だろう。目まぐるしく変化し続けるビジネス状況の中、いつでもどこでもシームレスにファイルを共有できる、そんな環境の整備が今後の企業成長の鍵を握っていると言えるだろう。


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提供:株式会社 鉄飛テクノロジー、株式会社ダイレクトクラウド
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ビジネスオンライン編集部/掲載内容有効期限:2016年10月22日

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