コンビニの「トイレだけ利用」はアリなのか、ナシなのかコンビニ探偵! 調査報告書(3/4 ページ)

» 2016年09月27日 07時15分 公開
[川乃もりやITmedia]

トイレを設置するコンビニが増加

店内にトイレを設置するコンビニが増えた

 いまとなっては「コンビニにトイレを設置しているのは当たり前」といった状況になっているが、ここで時計の軸を巻き戻していただきたい。その昔、コンビニのトイレといえば、バックヤードに設置していて、お客さんが入れるような設計になっていなかった(もちろん、すべてではない)。

 店内で、こんな張り紙を見たことはないだろうか。「トイレをご利用の方は従業員までひと声かけてください」――。この張り紙は、当時のなごりである。

 多くのコンビニで「お客さん用のトイレ」を設置し始めると、バックヤードにしかなかった店舗は大慌て。店舗の一部を改装して、トイレを設置するようになったのだ。「いやいや、オレがいつも利用しているコンビニにはトイレがないよ」という人もいるだろう。いまでもバッグヤードにしかない店の多くは、改装できないの事情があるのだ。例えば、「ビルの1階に店舗を構えているので、改装したくてもできない」「スペースの関係上、どうしてもトイレを設置することができない」といった理由がある。

立ち読み禁止で売り上げアップ

 現在、コンビニの店内にトイレがあるにもかかわらず、なぜいまだにトイレを貸す・貸さない、断わる・断らないといった論争が残っているのだろうか。不思議に感じる人も多いだろう。

 筆者がオーナーだったころ、ある実験を行った。その内容はブログに書いているので、ご興味がある方は読んでいただきたい(関連記事)。

 お客さんの滞在時間が長くなれば、ついで買いをしてくれる可能性が高くなる。そのために、コンビニはどんなことをしてきたか。いろいろあるが、そのひとつが雑誌の立ち読みである。

 確かに、雑誌を立ち読みすれば、滞在時間は長くなる(らしい)。ということは、立ち読みをする人が増えれば、増えるほど売り上げが伸びるという話になる。しかし、筆者はその通説に疑問を感じていた。雑誌の立ち読みは逆効果ではないか。つまり、立ち読みを認めても、売り上げはなかなか伸びないのではないかと。

 そこで、筆者の店舗では「雑誌の立ち読みを禁止」にした。データの収集は、筆者の店舗だけ。データの収集期間も短かったので、精度が高いとは言えない。しかし立ち読みを禁止したことで、売り上げは逆に伸びたのだ。

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