幸楽苑、業績予想を「未定」に 異物混入問題の影響で

» 2016年10月28日 16時26分 公開
[ITmedia]

 幸楽苑ホールディングスは10月28日、2017年3月期の業績予想を「未定」に変更したと発表した。静岡県の店舗でラーメンに指の一部が混入していた問題の影響で売り上げ減を見込む上、再発防止策としてコスト増加が予想されるなど、「影響を合理的に見積もることができないため」としている。

 経営責任を明確化するため、新井田傳社長の月額報酬を5カ月間50%カットするなど、役員報酬の減額処分も発表した。

photo 公式サイトのトップページは異物混入問題の告知が大部分を占めている

 この問題では、9月に静岡県の静岡清水インター店(静岡県清水区)で提供したラーメンに、パート従業員が誤って切断した左手親指の一部が混入していたことが発覚。その後の対応や情報公開の姿勢にも批判が集まり、27日には全店を一斉休業し、衛生・安全教育を徹底する緊急店長会議を実施していた。

 当初、17年3月期の連結売上高は382億円、営業利益は10億5200万円と予想していた。客離れ、対策コスト増が響き「結業績予想の達成に多大な影響が生じる見込み」として、見通しをいったん白紙にする。

 同社は「食の安全を何よりも重要なこととして、お客様が安心できる商品の提供と業績回復に全社を挙げて全力で取り組む」としており、業績予想は公表が可能となった時点で速やかに開示するとしている。

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