今知るべき国際情勢ニュースをピックアップし、少し斜めから分かりやすく解説。国際情勢などというと堅苦しく遠い世界の出来事という印象があるが、ますますグローバル化する世界では、外交から政治、スポーツやエンタメまでが複雑に絡み合い、日本をも巻き込んだ世界秩序を形成している。
欧州ではかつて知的な社交場を“サロン”と呼んだが、これを読めば国際ニュースを読み解くためのさまざまな側面が見えて来るサロン的なコラムを目指す。
1年半に渡って行われた大統領選が終わった。
不動産王のドナルド・トランプ大統領が誕生することになった。米メディアなどは軒並み、トランプが大惨敗を喫すると予測していたのだが、彼が勝利したことで世界中で驚きが広がった。
そんな大統領選だが、実は、バッチリとトランプ勝利を予測して、的中させていた大学教授が米国にいる。しかもこの人物は、1996年から過去5回の大統領戦を全て的中しており、今回その記録を6回連続に伸ばした。この教授、いったい何者なのか。
選挙の直前まで、大手メディアなどは、ヒラリー勝利を確実視していた。米ニューヨークタイムズは、クリントンの勝利する確率は93%だと報じ、また米ニュースサイトのハフィントンポストも、98%の確率でクリントンが大統領になると報じていた。米政治ブログのデイリーコスは、96%でヒラリー勝利と書いていたし、米メディアにも信頼されている統計分析サイトのファイブサーティエイトは71%でヒラリーが勝つと伝えていた。
だがそんな中で、トランプの勝利を信じて疑わなかったのが、ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校のヘルマット・ノーポス教授(政治学)である。ノーポス教授は、「トランプが勝利する確率は87%である」と主張した。
このノーポス教授の予測システムは、プライマリーモデルと呼ばれ、さまざまなデータから大統領選の勝者を予測するものである。そのモデルでは、1828年の大統領選までさかのぼってどのように大統領選の勝者が民主党、共和党と推移してきたか、そのサイクルとパターンを精査し、さらに党指名候補を決める州ごとの予備選のデータを分析する。ノーポス教授はこの方法で、1996年から5回の大統領選の結果をすべて的中しているのだ。そして今回も的中させ、連続6回の“勝利”になった。
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