なぜ米国は「美食のW杯」で優勝できたのか来週話題になるハナシ(1/3 ページ)

» 2017年02月24日 07時51分 公開
[藤井薫ITmedia]

来週話題になるハナシ:

 24時間365日、いまも世界のどこかでユニークで刺激的な話題や新しいトレンドが次々と生まれている。だが、大半は情報としてこぼれてしまっている。そんなメインストリームでない情報こそ、ビジネスで使えるネタが詰まっているのではないだろうか。

 そこで、情報感度の高いビジネスパーソンならば、ぜひとも押さえておきたいトレンドや話題をちょっと先取りして紹介したい。プライベートにビジネスに、ちょっとしたインスピレーションのネタとして、役立つハナシを探るコラム。


 1987年に「現代フランス料理の父」と称されるポール・ボキューズにより創設された、料理人にとって最も栄誉あるフランス料理のコンクール、「BOCUSE D'OR(ボキューズ・ドール国際料理コンクール)」。

 2年に1度開催されるこの大会には、国内予選を経て大陸予選まで勝ち抜いた選ばれしシェフのみが出場できる。ルールはテーマ食材(肉・魚)を使って、5時間半で調理をするというもの。味や見た目、国の独自性が採点基準になる。

 歴代の優勝国をみると、開催国であるフランスのほか、ノルウェーやデンマークなど北欧の国が目立つ。では、日本はどうか。ミシュランで高評価を得ている店が多いことや、和食がユネスコ無形文化遺産に登録されたことなどから、「何度も優勝しているのでは?」と思われたかもしれないが、実は一度もない。最高で3位である。

 料理業界では「食のワールドカップ」として注目されるこの「ボキューズ・ドール国際料理コンクール」の決勝戦が、2017年1月25日にフランスのリヨンで開催された。今回は、24カ国のシェフが集結し、真剣勝負に挑んだ。

 実は今年、記念すべき30周年となるこの大会で、意外な国が優勝したことで大きな話題になっている。その国とは、ハンバーガーやホットドッグなどジャンクフードのイメージが強い、米国だ。

 世界的にはフランスやイタリア、日本などのように食文化が深く根付いていない印象の米国が、世界的に由緒ある大会で優勝したことが驚きをもって受け止められた。

ジャンクフードのイメージが強い米国が、「美食のワールドカップ」で初めて優勝した
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