NEM流出の犯人を追跡、換金阻止へ取引所と連携=財団理事資金送金が目的ではない?

» 2018年02月02日 12時28分 公開
[ロイター]
photo 2月1日、仮想通貨NEMのブロックチェーン技術の普及を推進しているNEM.io財団の朝山貴生理事は記者会見で、約580億円相当の仮想通貨NEMが流出したことについて、同財団の特命チームが犯人を追跡しており、現時点で2つの取引所への送金を確認したと述べた。写真は都内で1月撮影(2018年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[東京 1日 ロイター] - 仮想通貨NEMのブロックチェーン技術の普及を推進しているNEM.io財団の朝山貴生理事(テックビューロ代表取締役)は1日の記者会見で、約580億円相当の仮想通貨NEMが仮想通貨取引所コインチェックから流出したことについて、同財団の特命チームが犯人を追跡しており、現時点で2つの取引所への送金を確認したと述べた。

朝山理事によると、送金を確認したのはニュージーランドにあるクリプトピアと米国のポロニエクス。犯人が換金しないよう、取引所と連携しているという。

犯人像について、朝山氏は「全く分からない」と述べた。ただ、犯人の行動履歴を分析すると「資金送金が目的ではなく、追跡システムの仕組みをどうしているか見るための送金が主だ」という。

朝山氏は、近年は大口の換金をするのが難しくなっており、犯人が取り得る行動としては小口に分散して送金、追跡のかく乱、放置が考えられると述べた。

NEM.io財団は捜査当局に協力している。朝山理事は、複数の国の捜査当局が動いていると話した。

(和田崇彦)

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