マネックスGがコインチェックの業績開示、営業利益537億円の見込み売上高は626億円

» 2018年04月26日 13時55分 公開
[ロイター]
photo 4月26日、マネックスグループは、同社の決算発表で、16日に完全子会社化した仮想通貨交換業者コインチェックの2018年3月期の業績見込みを開示した。営業利益は537億円と前年の7億1900万円から大幅に増加した。写真は両社のロゴ。都内で6日撮影(2018年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 26日 ロイター] - マネックスグループは26日、同社の決算発表で、16日に完全子会社化した仮想通貨交換業者コインチェックの2018年3月期の業績見込みを開示した。営業利益は537億円と前年の7億1900万円から大幅に増加した。

仮想通貨の売却取引での収入から原価を控除した純額である売上高は626億円。特別損失として473億円を計上した結果、税引き前利益は63億円になる見込みとしている。

コインチェックは、仮想通貨NEM約580億円相当の流出で、保有者約26万人に総額約460億円を返金している。

マネックスGは、1月下旬に発生した巨額流出以降のサービス停止・一部再開期間にあたる18年2月と3月のコインチェックの業績見込みについても開示、同期間の損益は5億円の営業利益と黒字を確保したことを強調した。

今月6日に同社がコインチェックの完全子会社化を発表した際に開示された資料に内容は、2017年3月期までの業績にとどまっていた。仮想通貨の取引が大幅に増えコインチェックの業容が急速に拡大したその後の業績に対し、市場関係者らの注目が集まっていた。

マネックスGの松本大社長は20日のロイターのインタビューで、コインチェックの業績開示について「比較的早い時期にある程度開示されていくというのが、当たり前のことだ」と語っていた。

今回開示された業績見込みは一部報道で伝えられた1000億円程度とはかなりのかい離があったものの、500億円超の営業利益は、仮想通貨交換業が高い利益率を確保できるビジネスであるかをうかがわせる結果だった。

ただ、流出事件や仮想通貨交換業界全体を取り巻く環境の変化を受けて、今期以降も同じような水準の利益率を維持できるかは不明だ。

(浦中大我 編集:田巻一彦)

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