スズキ、研究開発費増と円高で今期営業益9.1%減へ四輪販売は過去最高

» 2018年05月10日 19時04分 公開
[ロイター]

[東京 10日 ロイター] - スズキ<7269.T>は10日、2019年3月期(今期)の連結業績が増収減益との見通しを発表した。円高と研究開発費の増加が響くため。四輪世界販売は過去最高を見込む。18年3月期(前期)は売上高、各利益で過去最高となった。

photo 5月10日、スズキは、2019年3月期(今期)の連結業績が増収減益との見通しを発表した。円高と研究開発費の増加が響くため。四輪世界販売は過去最高を見込む。18年3月期(前期)は売上高、各利益で過去最高となった。写真は都内で昨年10月撮影(2018年 ロイター/Toru Hanai)

今期の営業利益予想は前期比9.1%減の3400億円。トムソン・ロイターが集計したアナリスト21人の予測平均値3745億円で、会社の営業利益予想は下回った。

為替の影響で220億円、研究開発費の増加で200億円、今期の営業利益を押し下げる。今期の研究開発費は同14.7%増の1600億円を計画する。

今期の売上高は同1.1%増の3兆8000億円、純利益は同5%減の2050億円をそれぞれ見込む。配当は中間、期末ともに37円で、前期と同じの年間74円を維持する。

想定為替レートは、1ドル=105円(前期は111円)、1ユーロ=130円(同130円)、1インドルピー=1.65円(同1.73円)。

今期の世界販売は、四輪が同2.3%増の329万9000台と過去最高を計画する。日本やアセアン地域で販売が拡大するほか、主力のインドは6%増を目指す。二輪は同4.2%増の164万6000台を想定する。インド、アセアン、日本、欧米でも販売増を見込む。

<前期は売上高、各利益で過去最高に>

同時に発表した前期の連結決算では、売上高が前の期に比べて18.5%増の3兆7572億円、営業利益が同40.3%増の3741億円、純利益が同34.9%増の2157億円だった。

四輪ではインドでの新車販売が好調だったほか、二輪事業は46億円の営業黒字(前期は9億円の赤字)に転じた。円安効果も寄与し、売上高、各利益は過去最高で、前回の会社予想も上回った。

世界販売は四輪が同10.5%増の322万4000台で過去最高を更新した。インドは同14.5%増の165万4000台だった。二輪は同15.5%増の158万台だった。インドやアジアなどで伸びた。

(白木真紀)

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