[東京 11日 ロイター] - SUBARU(スバル)<7270.T>は11日、2019年3月期(今期)の連結営業利益が前期比20.9%減の3000億円になる見通しと発表した。為替の円高の影響、米国の金利上昇に伴う販売費の増加などが響く。トムソン・ロイターが集計したアナリスト20人の予測平均値3917億円で、会社の予想はこれを下回る。
想定為替レートは1ドル=105円(前期は111円)、1ユーロ=130円(同130円)に設定した。円高・ドル安の影響が今期営業利益を653億円押し下げるほか、米国での販売費用増などが400億円のマイナス要因となる。
今期の売上高は同4.6%減の3兆2500億円、純利益は同0.2%減の2200億円をそれぞれ見込む。世界販売計画は同3.1%増の110万台。このうち主力の北米では5.6%増の76万8000台を見込む。今夏には3列シートの新型SUV(スポーツ多目的車)「アセント」を投入、秋には「フォレスター」のモデルチェンジを控えており、下期から北米販売は勢いづく見通しだ。
吉永泰之社長は会見で、米国については貿易不均衡問題、金利・為替動向などを注視し、慎重に見ていくと説明。また、米国に続く次の注力市場として特に「中国とロシア」を挙げた。
中国販売は前期に4割近く減ったが、今期は11.3%増を見込む。日本からの輸出を続け、販売の立て直しを急ぐ考えで、スバル車は「安全と愉しさ」をアピールしているが、日米ほど中国では顧客に響いていないとみて「マーケティング面での見直し」を進めるとし、経済が改善してきているロシア、好調な豪州も強化する意向を示した。
国内販売は今期は同7.8%減を計画するが、完成検査による販売への影響は軽微で、新型車「インプレッサ」などの投入効果一巡によるところが大きいという。
同時に発表した18年3月期(前期)の連結決算によると、営業利益は前の期に比べ7.6%減の3794億円だった。為替の円安効果はあったものの、米国の金利上昇に伴う販売費の増加、販売奨励金が膨らんだ。研究開発費もかさんだ。
北米での販売好調で、売上高は同2.4%増の3兆4052億円だった。純利益は同22.0%減の2203億円。無資格者による完成検査問題関連費用や経営破綻したタカタ製エアバッグのリコール(無料の回収・修理)費用計上が響いた。
同社は19年4―6月期から国際会計基準(IFRS)を適用することも発表した。
(白木真紀)
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