[13日 ロイター] - 独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)
ビートルのオリジナルモデル「タイプ1」は1930年代に開発。ヒトラーの肝いりで生産された時代を経て、第二次大戦後は民主的な製造業の中心地として生まれ変わったドイツ再生の象徴とされるようになった。
60年代には、戦後のベビーブーム世代において「スモール・イズ・ビューティフル」の象徴的存在だった。
98年には後継車「ニュービートル」を発表。米国では翌年に8万台以上を販売するなど人気を集めたが、近年は他の小型車と同様に落ち込んでいた。VWによると、世界の累計販売台数は約50万台に上る。現在のモデルは「ザ・ビートル」。
米国で今年、ビートルの各モデルの販売は現在までに1万1151台と、前年同期比で2.2%減。小型のVW車を求める消費者の間では、セダンの「ジェッタ」や小型スポーツ多目的車(SUV)「ティグアン」の人気が大幅に上回っている。
ビートルの終焉は、VWにとっての転換点と言える。過去3年間、ディーゼル車の排ガス不正スキャンダルで打撃を受けた同社は現在、環境問題に対する意識の高い消費者にアピールするため、EVの発売を準備中。こういった消費者は、60年代にビートルを熱狂的に迎えた人々の子供や孫の世代だ。
VWの北米事業トップ、ハインリッヒ・ウェブケン氏は発表文で、ビートルの後継車の予定は現時点でないと述べた。米国では最後のラインアップとして、特別モデル「ファイナルエディションSE」と「SEL」を販売する。
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