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» 2018年12月06日 07時30分 公開

8年連続赤字企業を救った戦略:どん底から復活したメガネスーパーは、なぜ「安売り」と決別できたのか (2/4)

[加納由希絵,ITmedia]

ボロボロの状態でも残っていた“強み”

 投資ファンドによる事業再建が一進一退を繰り返す中、13年6月に現社長の星崎尚彦氏(崎はたちさき)が就任する。

 星崎氏が数年をかけて取り組んだ「社員の意識改革」が復活の大きな原動力になった。その手法については、多くのメディアや星崎氏の著書で紹介されているため、本記事ではビジネスモデルの改革に焦点を当てる。

 赤字を垂れ流し、店は汚い、目新しい商品もない……。価格競争に敗れ、ボロボロの状態だった。しかし、そんなメガネスーパーにもまだ“強み”は残っていた。

 それは「眼鏡専門店としての認知度が高く、昔から付き合いがある顧客がいること」。新規客は少なくなっており、顧客の7割は45歳以上。必然的にシニア層のデータが集まり、その客層に合った接客が磨かれていた。

 「目」を取り巻く社会的な状況も、メガネスーパーの方向性の決め手になった。高齢化によって老眼対策をする人が増加。さらに、スマートフォンの普及によって、以前よりも目を酷使する人が増える状況になっていた。

 メガネスーパーが打ち出さなければならないのは、「安い眼鏡」ではなく、「目の健康」ではないか。低価格では太刀打ちできない状況を踏まえ、大きな方向転換を決めた。モノではなくサービスで勝負する、ということだ。

 その戦略を言語化したのが、現在も掲げる「アイケアカンパニー宣言」だ。

 これまでに蓄積した「目の健康」に関する知見を生かして、質の高いサービスを提供する。そのためには、安売りを前提にしたビジネスモデルそのものを大きく変えなくてはならない。つまり、避けては通れない道があった。

 それは、「レンズ代0円」をやめることだ。

photo 「目の健康」に関するサービスを充実させることで強みを生かせると考えた(写真は現在の高田馬場本店)

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