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» 2019年04月11日 07時00分 公開

世界を読み解くニュース・サロン:「サイバー脅威を分かってない」弱点だらけの日本企業に寄せられる、大きな期待 (6/6)

[山田敏弘,ITmedia]
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日本もサイバーセキュリティの“リーダー”になれる

 「日本では、多くの企業にCISO(情報セキュリティ最高責任者)またはCSO(最高セキュリティ責任者)といった人がいない。例えば米国の大手銀行なら、サイバーセキュリティ担当社員は200人以上いて、理事などと直接やりとりするCISOやCSOがいます。CEOなどの下にいるのではなく、企業文化や人事に左右されないから、忖度(そんたく)しない忠告ができるのです。

 また、サイバー脅威についての認識が薄い。サイバー攻撃がいかなる脅威になるのか、本当のところを分かっていないと思います」

 一方で、レビットCEOは日本に大きな期待を寄せている。「中国のような大量生産では日本は勝てないかもしれないが、強固なサイバーセキュリティツールなどクオリティーで勝負することは十分できる。技術力のある日本は、サイバーセキュリティでも世界のリーダーになれる。つまり、世界は(安価で信用の低い)ファーウェイを求めてはいない。自由な社会に属し、信頼のある日本メーカーを求めているのです。それを忘れてほしくないと思っています」

 5Gなどでこれからさらにサイバー空間は拡大する。それに伴い、サイバーセキュリティも重要になる。「メイド・イン・ジャパン」のクオリティーの高さが世界で評価されている日本も早く、これが大きなビジネスチャンスであることを気付くべきだろう――。そうレビットCEOは言う。

 ただ日本ではダークウェブなどの奥深くに入ってインテリジェンス活動をすることが許されていない。脅威インテリジェンスなどはKELAなど海外勢に任せるしかないのが現状だ。

 一刻も早く、法整備などに向けた協議を行い、世界をリードするような国になるべく動き出すべきだ。さもないと、サイバー空間もまた、自国で守れない国になってしまうに違いない。

筆者プロフィール:

山田敏弘

 元MITフェロー、ジャーナリスト・ノンフィクション作家。講談社、ロイター通信社、ニューズウィーク日本版に勤務後、米マサチューセッツ工科大学(MIT)でフルブライト・フェローを経てフリーに。

 国際情勢や社会問題、サイバー安全保障を中心に国内外で取材・執筆を行い、訳書に『黒いワールドカップ』(講談社)など、著書に『ゼロデイ 米中露サイバー戦争が世界を破壊する』(文藝春秋)『モンスター 暗躍する次のアルカイダ』(中央公論新社)、『ハリウッド検視ファイル トーマス野口の遺言』(新潮社)がある。最近はテレビ・ラジオにも出演し、講演や大学での講義なども行っている。


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