・企業の責任が重くなる点が重要
パワハラとはなんぞやと、今頃言っているようでは、とても危険です。厚労省パワハラ6類型のように、何がダメなのかは、自分が決めるものではありません。政治家が失言で役職を下ろされたり辞任したりする例が後を絶ちませんが、「善意の指導」や「自分たちもこうして成長したんだ」という自分の意図は関係ありません。
企業側にはどんな意図であれ、ハラスメントを防止する義務が課されました。見逃したり、ハラスメントを見て見ぬふりをした責任は会社にきます。「防止法」自体に罰則が無くとも、当然パワハラ裁判はこれまでもできました。当然今後もパワハラで訴えることはこれまで以上に容易になります。
そんな時に「指導の一環だった」ことは、学校で教師が児童を殴った場合、もはや現状ではどんな理由があれ教師側が責任を問われるのと同じです。生徒側に非があったとしても、教師が責任を問われるのは理不尽ですが、これは生徒側も責任を問われることで、教師の責任がゼロにはならないと理解すべきでしょう。
管理職の皆さんは、残業代は出なくなるわ、雑用は増えるわ、部下には何も言えないわで、そもそも管理職になるメリットあるの? と感じるかも知れません。しかし部下を指導することは業務です。部下の人格を否定することが禁じられるだけであり、指導自体は管理者として、当然遂行義務があります。この線引きをぜひ理解していただだきたいと思っています。(増沢隆太)
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