新型コロナで見直された“最重要食品”とは? 巣ごもり消費と防衛消費の意外すぎる実態長浜淳之介のトレンドアンテナ(5/6 ページ)

» 2020年03月24日 05時00分 公開
[長浜淳之介ITmedia]

顧客が押し寄せたドラッグストア

 ドラッグストアは衛生関連の商品を扱っているのに加えて、近年は食品も充実してきているので、コロナ特需の恩恵を受けた。爆買い需要は落ち着いてきており、インバウンドの消費がなくなったのは痛いが、それを補って余りあるほど顧客が押し寄せた。

 ウエルシアホールディングスは120.6%(104.1%)、ツルハホールディングスは107.1%(99.7%)、スギホールディングスは120.9%(105.3%)、ココカラファインは109.7%(101.4%)、マツモトキヨシホールディングスは108.0%(103.4%)、コスモス薬品は111.3%(101.6%)、サンドラッグは113.7%(99.8%)、カワチ薬品は104.5%(99.0%)、クスリのアオキホールディングスが112.2%(101.7%)などとなっている。

ドラッグストアはコロナ特需の恩恵を受けた。スギ薬局ではマスク、空間除菌剤、消毒液、体温計がよく売れた。休校が広がってからは、米、カップ麺、レトルト食品、冷凍食品などの食品も好調

 「スギ薬局」を運営するスギホールディングスによれば、「2月にはコロナ対策で、マスク、空間除菌剤、消毒液、体温計がよく売れた」(同社・広報)とのこと。

 休校が広がってからは、米、カップ麺、レトルト食品、冷凍食品などの食品も売れてきている。

 一方、メーク関連商品は不要不急の外出の自粛で厳しく、花粉症対策グッズも機能性ヨーグルトや納豆のような食品を除いて例年ほど売れていないそうだ。とはいえ、2月は客数が2桁を超えて伸び、顧客単価が低下したにもかかわらず大幅な前年比プラスとなった。

 ココカラファイン・広報では、同様に「ハンドソープ、除菌剤、ウェットティッシュなどコロナ対策グッズが好調」とのことだ。今年は花粉の飛散が例年より早く、鼻炎薬などの花粉症対策グッズが早くから動いたとしており、スギホールディングスとは対照的だ。

ココカラファインではハンドソープ、除菌剤、ウェットティッシュなどコロナ対策グッズが好調

 東京都国分寺市内にある両チェーンの店に行ってみると、スギ薬局は出入口付近に「ウイルス警報」という滋養強壮ドリンクのコーナーを設置して、「今だからこそ!!体力アップ 手洗い・うがいも忘れずに!」と、コロナ対策を前面に出していた。一方のココカラファインは、出入り口付近に「花粉を忘れたいあなたへ。」といったキャッチコピーで、アレルギー専用鼻炎薬を前面に出して売っていた。両社の売場づくりのスタンスの違いが、花粉症に関する商品の売れ行きに影響した可能性がある。

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