仮想通貨リップルで市場混乱 1日で70%高騰、47%下落(1/2 ページ)

» 2021年02月02日 09時00分 公開
[ITmedia]

 2月1日、仮想通貨「リップル(XRP)」の価格が乱高下し、国内の大手取引所「コインチェック」で一時売却不能になるなど、市場が混乱する事態があった。

リップル リップルのチャート(コインチェックより)

 リップルを巡っては、1月末にネット上で「2月1日の22時半(日本時間)に一斉購入を呼びかける情報」が拡散したことで、価格が急騰。1月30日は29円台だったが、31日に51円、1日には一時78円と2日間で168%も上昇した。しかし、20時頃に最高値を付けると、21時に60円、23時には40円台前半まで急落。1日0時〜23時59分間で最大70%高騰し、47%下落した。

 この間、コインチェックでは一時売却停止になり、短時間で復旧したが、同日夕方に創業者で現副社長の和田晃一良氏が「XRP +50%」と買い煽りに解釈できる投稿をしていたこともあり、ユーザーの不信を買った。別の取引所「GMOコイン」では20時頃に相場変動への注意喚起が行われ、くしくもその1時間後に同取引所でのみ69円から15円まで急落する現象が発生していた。この他、リップルのスプレッド(購入価格と売却価格の差額)が20円を超えるケースもあり、国内取引所の仕様を疑問視する声があった。


スプレッド DMMビットコインにおける1日17時半のスプレッド。リップルの価格70円前後に対し、買う場合は83円、売る場合は57円だった

 今回の急騰では、英語圏の掲示板「Reddit」内の株取引コミュニティ「r/Wallstreetbets」と、メッセージアプリ「Telegram」上のグループ「Buy & Hold XRP」の投稿に大きな影響力があったとされている。情報操作により特定の資産を短期間で上昇させて売り抜く手法は「Pump&Dump」といい、株取引では違法だが、仮想通貨ではまだ規制はない。

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