今回の緊急事態宣言では、沖縄県が酒類を提供する飲食店に休業を要請するほか、酒類を提供しない飲食店には午前5時から午後8時の時短営業を求めている。23日は県内で要請に従う店、従わない店が分かれたほか、店員からは飲食店への要請だけでなく来県者へのPCR検査など水際対策の徹底を求める声も上がった。
同日、名護市の繁華街みどり街では多くの店がシャッターを閉じたまま。午後7時半ごろ、県の要請に従って店じまいをしていた飲食店の店長は「酒類を提供しないなら午後8時まで営業していいと言われても利用客は少ない。きつすぎる縛りに対して協力金は全く足りない」と嘆いた。
宮古島市平良西里の繁華街では、酒類を提供する飲食店の従業員が臨時休業の対応に追われた。飲食店の女性従業員(26)によると、近隣の飲食店間で「多少損をしても島内の感染抑制を優先しよう」との意見でまとまり、同日からの臨時休業を決めたという。だが一方、時短営業を前提に仕入れていた食材が不要にならないか不安もあるとして「休業要請は急すぎる」と不満も口にした。
那覇市の公設市場周辺で営業する居酒屋は休業要請に応じず、通常通り営業を続けた。スタッフの40代男性は「従業員の生活は誰が補償するのか。飲食店は悪者ではない。われわれから営業する権利を奪わないでほしい」と窮状を吐露。県外からの感染流入を防ぐことが優先課題とし、国や県に対して「外から感染拡大の要因を持ち込ませないことが重要だ」と水際対策を講じるよう求めた。
同日の那覇空港は利用者も少なく、発着便を知らせる案内板には「欠航」の文字が目立った。空港でPCR検査を行う担当者によると、大型連休の時期から検査の希望者が増加。緊急事態宣言後も問い合わせが増える傾向にあり、23日も130人分の予約が埋まったという。
新婚旅行で沖縄を訪れた都内に住む20代の夫婦は、那覇空港でPCR検査が受けられることを知らなかった。「沖縄での感染増加は知っていたが、半年前から計画していた沖縄旅行と緊急事態宣言が重なった。密にならなければ平気ではないか」と話した。
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