エビの自販機が全国初登場 サイケな色で存在感、魚も連日売り切れ27歳の女性取締役が考案

» 2021年08月22日 08時00分 公開
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 車エビの冷凍自動販売機が、沖縄県南城市知念の海岸沿いにこのほど登場した。設置したのは養殖から卸売り、小売りまで手掛ける創業38年の「板馬(いたんま)養殖センター」(照喜名朗代表)。同社によると、車エビをメインとした自販機は全国初。社員がデザインしたサイケデリック調の色柄も存在感を放つ。同社は「SNS映えするので、まずは一目見てほしい」とPRする。(南部報道部・松田興平)

冷凍車エビの自動販売機のそばで笑顔を浮かべる板馬養殖センターの新垣奈菜さん=3日、同社

 自販機は7月27日から同社裏手に設置。同社取締役の新垣奈菜さん(27)が国の補助事業を活用して企画し、デザインも担った。

 販売する冷凍の車エビはSサイズ(15〜18尾入り)900円、Mサイズ(13、14尾入り)1千円、Lサイズ(10、11尾入り)1200円でいずれも250グラム。

 日替わりの「いまいゆ(魚)」(時価)や持ち帰り用の保冷剤と保冷バッグセット(100円)も販売しており「地元の人たちがSNSで紹介してくれ、滑り出し好調。手頃なMサイズが人気。数量限定の『いまいゆ』は毎日売り切れる」と新垣さん。

 自販機設置の動機は同社への「逆風」が続いたこと。

 2018年、メインの卸先の一つだった東京都の築地市場が豊洲に移転したことに伴い、仲介業者の形態が変わって卸値が下落したという。さらにコロナ禍で飲食業界などの落ち込みが同社にも影響を及ぼし続ける。

 新垣さんは「自販機なら対面せず買える。デザインを工夫してSNSを活用する若者層にも注目してもらうという、時代に合ったアイデアだと思った。車エビは県外の方々に人気の商品だけど、気軽に買える自販機設置をきっかけに県民の方々にも食してほしい」と語った。

 問い合わせは同社、電話098(947)0605。

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