22年度新入社員に向けた、経営者の熱い言葉──トヨタ、ソフトバンク、ファミマなど「前例第一主義」になるな(1/2 ページ)

» 2022年04月02日 07時00分 公開
[ITmedia]

 4月1日、多くの企業が入社式を行った。コロナ禍で迎える3回目の春。新入社員に向けて、各社の経営者は何を伝えたのか。

トヨタ自動車 豊田章男社長

 トヨタ自動車では、感染症対策を行ったうえで1000人以上の新卒社員が一堂に会し、式典を行った。

 豊田章男社長は、コロナ禍が長引いているからこそ「今年の入社式では、なるべく多くの人に、『みんなで集まる』という経験をさせてあげたいと思いました」と話す。

画像提供:ゲッティイメージズ 豊田社長のメッセージ全文はこちら

 オンラインで参加した中途入社の社員にも呼び掛けながら、「私は、トヨタを、多くの人が『集まる場所』にしたい」「『みんなで一緒にやる』。それが私たちトヨタの原点です」と、集まることへの想いを述べた。

 また、事業については次のように方針を説明した。

 「『全てを電気自動車にしなければならない』。皆さんも、そんな声を耳にしたことがあると思います。私は『少し違う』と思っています。(中略)私たちがやるべきことは、世界中のお客さまに多くの選択肢を残しながら、カーボンニュートラルを実現することです。そのために、電気自動車も、ハイブリッドカーも、水素で走る自動車も、全ての選択肢に本気で、全力で取り組んでいます」

 最後に3つのお願いとして、「1つ目は、クルマを好きになってください。(中略)2つ目は、まずは3年間、がむしゃらに、何事も楽しむつもりで仕事をしてみてください。(中略)そして、最後に。挫折を恐れないでください」と話し、新入社員を激励した。

ソフトバンクグループ 孫正義会長兼社長

 ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長は、始めにウクライナ侵攻の話題に触れ、「こんな大規模な戦争が始まるとは思ってもみませんでした。私は戦争に反対です」と思いを述べた。

孫正義会長兼社長 孫会長兼社長のメッセージ全文はこちら

 孫会長兼社長は、こうした時世と、創業時代の思いなどを振り返りながら、新入社員への期待を以下のように表現した。

 「私が言いたいのは『登る山を決めることで人生の半分が決まる』ということです。われわれソフトバンクグループにとって、登る山ははっきりしています。(中略)どんよりとした難しい今の世の中ですが、われわれは情報革命を通じて人々を幸せにするという理念に向かって力を合わせていく。みなさんのような若い同志が、われわれの思い、志、使命を、大きく、力強く果たしてくれると信じています」

 最後に孫会長兼社長は、新入社員を桜に例え、「私にとって皆さんは、その咲き誇る桜の花のような存在です。一輪の桜の花も美しいけれど、志を共にして一緒に春を迎えよう、世の中を明るくしようという同志だと思っています」と話し、歓迎の意を伝えた。

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