サンシャインシティ45周年、池袋の街はどうなった?(2/3 ページ)

» 2023年12月21日 08時00分 公開
[産経新聞]
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画期的な取り組み

 開業初日は30万人が訪れたと伝わる。高層ビルには世界一速いエレベーター、単独ビル用として初の廃水を浄化し再生した「中水」によるトイレ洗浄、世界各国の輸入品を扱う店舗など画期的な取り組みが注目を集めた。

 開発当時、急激な経済成長や高校進学率の上昇に伴う人材不足により児童教育や人づくりに関心が高まっていた時代背景から、「日本児童センター」にしようという構想が持ち上がった。古代オリエントを専門にした博物館や屋上に開館した水族館はそれぞれ日本初の試みであり、プラネタリウムなども構想をくみ取ったもので、今も機能を果たしているといえる。

 オフィス、ホテル、コンベンションセンターなど多くの機能を備え、専門性の高いものからサブカルチャー、若者、子供向けまで多種多様なイベントを開催したり、それらの施設や店舗が入居したりする。今年は、最上階にある展望台を公園のような場所にすることを目指し、「サンシャイン60展望台 てんぼうパーク」としてリニューアル。広場で絵本のリサイクルや読み聞かせなどを行う「絵本の森」も好評で、老若男女が楽しめる施設として常に進化している。

photo 開業45周年を迎えたサンシャインシティ。これまで培ってきた「『なんか面白いこと』を地域に提供することで、街の価値を上げていきたい」と常務取締役、川上裕信さんは話す

 「池袋の街のために開発を行ったサンシャインシティの成長には地域の発展が欠かせない。街に出て、街の価値を上げようと活動している」と運営するサンシャインシティ(同区)の常務取締役、川上裕信さん(58)。人の流れを池袋駅の外、街へ誘引する役割を果たした。次は「ウォーカブル(歩きたくなる)な街づくりを実現したい」と面的な広がりを目指している。

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