止まらぬ円安 一時1ドル161円20銭台、38年ぶり高値更新高まる介入警戒感

» 2024年06月28日 16時40分 公開
[ロイター]

 6月28日午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の終盤からドル高/円安の160円後半で取引されている。民主党のバイデン米大統領と共和党のトランプ前大統領のテレビ討論会などを受けて一時161.27円まで上昇し、1986年12月以来、約38年ぶりの高値を更新した。

円相場は一時161.27円まで上昇し約38年ぶりの高値を更新した(出典:ロイター)

神田財務官の退任、円買い介入にどう影響?

 ドルは朝方の160円半ばから、実需の売買が集中する仲値にかけて上昇し、討論開会後に上げ幅をさらに拡大した。討論会はトランプ氏が優勢との受け止めが多く、アジア市場で米国のS&P500Eミニ先物や10年債利回りが上昇したことが、ドルを支えたという。

 日本政府が神田真人財務官の退任を発表したことが、円売り材料視されたとの見方も一部にあった。「史上最大の円買い介入を指揮してきた神田氏の退任が、今後の円買い介入にどのような影響を与えるか」(FX会社関係者)に関心が寄せられている。

 鈴木俊一財務相は28日午前の閣議後会見で、円安に関して、急激で一方的な変動について「深く懸念している」との認識を示した。

 しかし、介入警戒感が高まる中で上値を買い上がる動きは限られ、その後は161.00円付近で上下する展開が続いた。円が歴史的な安値圏へ下落したことで「ここから円安が勢いづく局面があれば、再び介入が行われる公算が高い」(国内証券)と警戒する声が多数出ている。

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