店舗に並ばず本格コーヒー! AI活用の自販機「ルートC」が広がる理由(1/3 ページ)

» 2024年10月20日 18時30分 公開
[産経新聞]
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 ひきたての本格派を指定した時間に受け取ることができる、カップ式コーヒー自動販売機がオフィスビルでじわりと浸透している。開発したのは、ロボット系スタートアップ(新興企業)のニューイノベーションズ(東京都江東区)。自販機には商品ボタンやコイン投入口はない。注文、決済、時間指定をスマートフォン上のアプリで行うのが特徴だ。コーヒーを予約できる便利さで多忙なビジネスパーソンに人気を博している。

photo 住友不動産六本木グランドタワーの共有スペースに設置された「ルートC」=東京都港区

バリスタ厳選、高品質

 ニューイノベーションズが製造したカップ式コーヒー自販機は「ルートC」。令和3年に日本有数のビジネス街、東京・丸の内のオフィスビルで登場した。現在のコーヒー1杯の価格は期間限定品を除く定番商品が500円(5種類)。希少なコーヒー豆を使ったプレミアム商品は1980円(1種類)。休憩室などにある通常のカップ式自販機に比べると高めだが、自社内のコーヒー職人、バリスタが厳選した高品質な「スペシャルティコーヒー」をそろえる。商品は3カ月をめどに季節や仕入れ状況に応じて見直す。

 飲食店向け調理ロボットの開発などを目指す創業者の中尾渓人代表取締役CEO(最高経営責任者)が「店舗に行くことなく、並ぶこともなく高品質なコーヒーを手にできる環境があったら、オフィスで喜ばれる」と考えたのが開発のきっかけだ。

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