楽天グループは2025年、インドに少なくとも1億ドル(約143億円)を投資し、従業員数を約8%増やす計画であると、同社インド法人CEOのスニル・ゴピナート氏が語った。
この投資は、テクノロジー、インフラ、人材採用の強化を目的としており、「少なくとも“3桁ミリオンドル規模”の投資を想定している」と同氏は述べたが、具体的な金額は非公表だ。
楽天は現在、フィンテック、Eコマース、通信など多岐にわたる事業領域でAIを活用しており、業務効率化、顧客体験の向上、従業員の生産性改善を目指している。
インドでは約4000人の従業員を抱え、その90%が技術系人材だ。今後は特にAIに習熟した“パワーユーザー”層の採用を強化するという。
「私たちはAIに精通した人材を探しており、そうした人々を会社全体に戦略的に配置したい」とゴピナート氏は述べている。
楽天のインドにおけるグローバル・ケイパビリティ・センター(GCC、特定業務を担う国外拠点)は、同社の70以上の事業のうち約50%を担当しており、バンガロールを中心に複数の拠点を展開している。
このGCCは、日本国内で広く使われている決済アプリ「楽天ペイ」や、システムの健全性を監視・予測するAIプラットフォーム「SixthSense」の開発を担っている。
「SixthSenseは、まるでシャーロック・ホームズのような存在で、何が起きたかを自動で判断するだけでなく、事前に問題の発生を予測することができます」とゴピナート氏は説明する。
このプラットフォームは、銀行、医療機関、航空会社、インド政府など多様な分野で導入されているという。
楽天は、AIの活用により2024年度に105億円(約7362万ドル)の利益を創出。2025年度にはこれを倍増させることを目指している。また、AI導入により、営業資料の作成時間が2024年は約半分に短縮されたと、同社の通期決算プレゼンテーションでも明らかにされている。
楽天のインドにおけるGCCは、同社が展開する70以上の事業のうち約50%を担当しており、南部の都市バンガロールにある2拠点を含む複数のオフィスで運営されている。
IT業界団体Nasscomとコンサルティング会社Zinnovの共同レポートによると、インドのGCC市場規模は2024年度の646億ドルから、2030年度には最大で1050億ドルに達する見込みであり、今後の急速な成長が期待されている。
インドのIT業界団体Nasscomと、米国とインドに拠点を置くコンサルティング会社Zinnovの共同レポートによると、インドのGCC市場規模は2024年度の646億ドルから、2030年度には最大で1050億ドルに達する見込みであり、今後の急速な成長が期待されている。

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