下町にも立ち始めた「タワマン」「億ション」 一体どんな層が購入しているのか(3/4 ページ)

» 2025年05月04日 05時00分 公開
[山口伸ITmedia]

 供給面に着目すると、建材費や人件費の高騰とともに、地価も上昇している。23区内では開発の余地がなくなり、販売戸数は2015年の約1万8000戸から2024年には約8300戸となった。コスト高と供給数の減少も価格上昇の一因だろう。

 億ションでも売れるのは、需要が旺盛だということ。タワマンなら管理費だけでも、少なくとも月額3万円以上かかる。どういった人物が23区内の億ションを購入するのか。具体的なデータは公表されていないが、不動産関係者の発言をまとめると、(1)パワーカップル、(2)経営者・富裕層、(3)外国人が多いようだ。

億ションのメイン購入層は「3つ」に分けられる(同前)

 最も多いとされるのがパワーカップルだ。一般に共働きで年収1000万円以上の世帯を表すが、億ションを購入できるのは2000万円以上が目安。1500万円程度だとやや厳しいラインとされる。1人当たりの負担が大きいため、こうした世帯では共有名義で購入することも多い。

 資金力のある経営者・富裕層もタワマンの購入層だ。特に安定性があり余裕がある層、具体的にはクリニックの院長などが挙げられる。ただ、持ち家がある人は購入のモチベーションが低い。

 外国人に関して「中国人に買い占められる」「外国人しか買えない」という言説が聞かれる。こうした言説は必ずしも事実を反映していない。一部エリアでは確かに比率が高まるが、それでも全体の1割程度とみられる。彼らは日本での居住地や別荘地としてタワマンを選んでいる。

 上記3つ以外には転売、賃貸業目的の購入者がいるが、全体に占める割合は小さい。

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