採用活動において、コミュニケーション能力や思考力といった「ソフトスキル」の重要性が高まっている。採用応募時のスクリーニング評価ができるオンラインプラットフォームを提供する、オランダのTestGorilla(テストゴリラ)社が6月9日に調査結果を発表。雇用主の60%が「5年前よりもソフトスキルを重視」していることが分かった。
雇用主の70%以上が、技術だけでなく性格や企業文化との適合性を含めた「全体評価」を参考にすることで、よりよい採用結果につながると回答した。また、78%の雇用主が「技術スキルは高かったが、ソフトスキルや企業文化への適合性が不足していたためにパフォーマンスを発揮できなかった候補者を採用したことがある」と回答している。
テストゴリラ社のCEO兼共同創業者であるワウター・デュルヴィル氏は「雇用主が求めているのは、批判的思考ができ、適応力と協調性に優れた人材だ」とコメント。「現在の最適な採用戦略とは、客観的なデータだけでなく、スキルや価値観、文化的適合性といった候補者全体を把握すること」としている。
米国と英国の採用意思決定者1000人超を対象にした調査結果では、85%が「スキルベースの採用手法を採用している」と回答。米国雇用主の半数以上が「学位要件を職務から削除した」と答えている。
AIの普及で労働市場が変化する中、スキルの優先順位にも大きな変化が起きている。米国雇用主の約70%が「採用プロセスでAIを活用している」と回答し、そのうち92%が「採用の質が改善された」と感じている。
一方で、多くの雇用主は依然として人材の確保に苦戦しているようだ。全体の63%が「前年より優秀な人材の確保が難しくなっている」と答えた。また、AIに特化したスキルに対する需要が減少しており、2024年に52%だったところ、2025年は38%に落ち込んでいる。
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