筆者から、山田社長に以下のように質問してみた。
「山田社長のプレゼンは分かりやすく、非常に良かった。ダイニーを導入するメリットが伝わったと思う。しかし、ホワイトカラーの多くの仕事がこれからAIに変わっていくと思うが、経営も変わらざるを得ないのではないか」
すると、山田社長は言葉を選びながら、「今後5年、10年で生成AIがどこまで進み、どのように世界を変えていくのかは見えにくいし、難しいですね」と語った。産業の変革期であるため、実際の変化を見ながら、現実的に対処していくということだろう。
AIの活用が進むと、大量の失業者が出て、政府が国民に最低限の生活を保障する、ベーシックインカムが必要と唱える識者も多い。これから来るとされる大失業時代は、一企業で背負える問題ではない。
山田社長や、flaroの安部社長は、「AIができることはAIに任せ、人間は人間にしかできないことをやるべき」という考えを持っている。ただ、AIでできることが急速に広がっているため、どこからが人間にしかできないことなのかは判断が下しにくい。
「報道によると、レイオフを進めるために追い出し部屋があると言われているが、本当なのか」と続けて聞いてみたところ、「弊社のオフィスはワンフロアなので、部屋はないですね」と、報道の全てが事実ではないことを示唆した。ただ、「悪名は無名に勝るという言葉もあるため、注目されないよりは良いかもしれない。世間をお騒がせしてしまって申し訳ない」と、開き直りとも感じられる、歯切れの悪いコメントも。
会場の終了時刻となったため、その日は帰宅した。
当日のうちにダイニーの広報よりメールが入り、必要な情報があれば協力したいとの申し入れがあった。
そのため、後日ダイニーに対し、「レイオフした人に、退職の強要はなかったか」「海外のVCからレイオフを要請されたのか」などの質問を送ったが、「そのような質問には答えられない」との回答が送られてきたのみであった。
多くの人にダイニーという会社をアピールし、レイオフに関する疑惑を払拭するチャンスだと思い提案したが、世間がこの話題を忘れ去るのを待っているように見受けられた。
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